2021-22年秋冬のパリ・ファッション・ウイークで行われた「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」のメンズおよびウィメンズ・コレクションのバックステージに、人気メンズサロン「オーシャントーキョー(OCEAN TOKYO)」の高木琢也代表が参加。自身初のヘアアーティストとしての仕事で、同サロンのスタッフとともにモデルのヘアメイクを手掛けた。ファッション業界の巨匠とビューティ業界のカリスマとのコラボレーションは、山本耀司デザイナーからの呼び掛けで実現したという。ここではその舞台裏を、高木代表に聞いた。(この記事はWWDジャパン2021年4月12日号からの抜粋に加筆しています)
WWDJAPAN(以下、WWD):山本耀司デザイナーと知り合ったきっかけは。
高木代表(以下、高木):2019年に行われた「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」のパーティーで、(娘で「リミ フゥ(LIMI FEU)」デザイナーの)山本里美さんと知り合ったのがきっかけですね。里美さんの誘いで展示会に行ったときに、犬を連れた耀司さんに会ったんです。「ハリー・ポッターみたいだ!」が第一印象でした(笑)。
WWD:初対面のときに交わした会話は。
高木:そのとき赤いセットアップを着ていたので、耀司さんに「赤いねぇ」と言われました(笑)。2人とも同じ銘柄のタバコを吸っていることが分かり、打ち解けていった感じです。あと「オーシャントーキョー」のオリジナルヘアケアブランド「オーシャントリコ」の最初のキービジュアルの撮影のとき、僕は全身「ヨウジヤマモト」の服で臨み、写真は操上和美さんにお願いしたんです。その話をすると、耀司さんの最初のコレクションの撮影をしたのも操上さんだったと分かり、盛り上がりましたね。そこでパリコレに誘われ、21年春夏シーズンに初めて「ヨウジヤマモト」のショーを見ました。
WWD:それからバックステージの依頼があるまでの経緯は。
高木:21-22年秋冬シーズンの前に「ヨウジヤマモト」事務所から、コレクションのヘアアーティストの人選に関して、耀司さんが「琢也がいい」と言っている、みたいな連絡があったんです。耀司さんが個人名を挙げて希望を出すのは非常に珍しいことで、「周囲はみんな驚いている」とも言われました。
WWD:すぐに引き受けた。
高木:引き受けたい気持ちはあったけれど、ヘアメイクの仕事はやったことないし、何の情報も持っていないので、引き受けるのは失礼だと思いました。それに自分の戦場はヘアサロンなので、バックステージはちょっと違うかなと。でも写真家で映画監督の蜷川実花さんと食事をしたとき、「私も『ヨウジヤマモト』のバックステージを撮らせてもらったことがあるけれど、すごく勉強になった。絶対に受けるべき!」と背中を押されて決めました。それがショーの1カ月前くらいですね。
WWD:それから行った準備は。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。