韓国では、サステナブルを追求するエシカル消費が浸透し始め、ビューティ業界も競争力を高めるためにさまざまな試みを行っている。ビューティ企業はESG経営へのシフトを加速。生態系保全や環境・動物保護につながる成分の開発、リサイクル可能なパッケージや店舗デザインにおけるゼロ・ウェイスト志向などの取り組みが目立つ。消費者も、これらの取り組みに対してポジティブな反応を示している。P&Gコリアの調査によると、韓国の消費者の81%は環境に優しいライフスタイルを追求する意欲があり、持続可能な行動を支持している。(この記事は「WWDJAPAN」2024年5月27日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
いま、ビューティ業界では“プラスチックニュートラル”に向けた取り組みが顕著だ。プラスチックはビューティ業界で欠かせない素材として使われてきたが、大気中に拡散するマイクロプラスチックが環境汚染の大きな原因となっている。欧州連合(EU)は2022年に、プラスチックが生態系にもたらす脅威に対処するため、法的拘束力を持つ史上初の国際プラスチック条約を起草し、24年までに法的拘束力のある条約を締結することを目指している。欧州で始まったプラスチック使用の規制が世界的に広がり始める中、韓国のビューティ企業も急速に対応策を練っている。
大手化粧品企業3社のサステナビリティ戦略
トップメーカーは環境に配慮したパッケージや成分の開発が進み、環境問題に対してのアクションも活発だ。
アモーレパシフィック
新商品の9割が環境・社会に配慮
アモーレパシフィック(AMOREPACIFIC)は2009年から“4R戦略(リフューズ、リデュース、リユース、リサイクル)”を実施し、容器回収を通じてプラスチックの循環モデルを確立してきた。同社によると、22年時点で新商品の90.5%を環境や社会に配慮して開発。包装におけるプラスチック使用量は約1080t削減している。22年には韓国のビューティ業界で初めて、国際的な環境イニシアチブ「RE100」(事業活動における電力の100%再生可能エネルギー化を目指す企業で構成)に加入した。30年までに全生産事業場および研究開発、物流などで使用するすべての電気を再生可能エネルギーに代替する計画だ。また、30年までに「RE100ロードマップ」を作成する予定だ。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。