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「メゾンスペシャル」仕掛け人の頭の中 「3つの新ブランド」「売上高200億円」

近年の国内ウィメンズリアルクローズ市場において、台風の目になってきたブランドが「メゾンスペシャル(MAISON SPECIAL)」だ。これに続く「プランク プロジェクト(PRANK PROJECT)」も順調に成長している中、運営会社であるサザビーリーグ子会社・プレイプロダクトスタジオは攻勢を緩める気配を見せない。菅井隆行社長は新たに3ブランドの立ち上げと、中期的な会社の売上高目標として200億円を構想している。

既存2ブランドは、業績を順調に拡大してきた。「メゾンスペシャル」は2019年春の立ち上げから5年で売上高45億円(25年2月期予想)が視界に入る。ブランディングを鑑みると「現在の規模(国内7店舗)が最適」とみて、今後はアジアを中心とした海外での卸売りを成長ドライブにする。22年春に立ち上げた「プランクプロジェクト」も前期比40%増と順調に伸ばし、売上高10億円で着地する見込み。ポテンシャルは「メゾンスペシャル」と同等と考えているといい、今後は商品のプライスレンジを引き上げて勝負する。

両ブランドの合計で、現在のプレイプロダクトスタジオの売上高は55億円を見込む。今後のさらなる伸び代として、3ブランドの立ち上げを計画している。近い将来に5ブランド合計で「売上高200億円」を目指す。これが実現できれば、グループ内でもかなりの存在感になる。

ファッションと掛け算した
“フレグランスブランド”

3つの新ブランドの立ち上げ時期はそれぞれ未定だが、すでに動き出しているのが新ジャンルとなるフレグランスブランド。「純粋な香りなブランドというよりも、当社が得意なファッションのイメージを前面に打ち出していく。たとえば、店舗が商業施設のファッションフロアのど真ん中にあってもいいと思っている」。残りの2ブランドはアパレルで、来春から具体化へ向け動き出す。一方は既存ブランドよりもストリートテイストを強め、もう一方は比較的ベーシックなテイストで、メンズ・ウィメンズを両展開する。

「メゾンスペシャル」「プランク プロジェクト」は同質化傾向のあるリアルクローズ市場において、エッジィかつユニークなデザイン、それによる固定ファンの獲得が成長要因になってきた。新ブランドにおいても、「デザインは突き抜けつつ、着てくださるお客さまの姿をしっかり想像すること」「売れ筋の縦売りに固執せず、かつ捨て品番を作らないこと」といった商品企画やMDの考えを共通させる。いずれも常設出店を前提とせず、「まずはポップアップストアなどの形で感触を確かめたい」と話す。

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