衣服生産プラットフォームを運営するシタテルは2月3日、新たな戦略の記者向け発表会を開催した。発表会では取引やワークフローの円滑化を目指す「シタテル クラウド(SITATERU CLOUD)」のβ版やユニフォームのカスタムサービスである「シタテル カスタム(SITATERU CSTM)」、D2Cブランドの業務をサポートする「シタテル スペック(SITATERU SPEC)」の3機能のローンチがアナウンスされた。
少数のアパレル事業者に向けて試験的に導入中の「シタテル クラウド」は、シタテルの連携工場と直接取引を行えるサービスだ。生産プロセスにおける情報管理と縫製工場とのコミュニケーションなどをクラウド上で一元管理し、業務を効率化。さらに、導入企業が連携している工場もクラウド上に取り込み、シタテルの連携工場以外との取引も可能にする。
2つ目の「シタテル カスタム」は企業のユニホームのカスタマイズサービスだ。シタテルがこれまでに請け負ってきたユニホームの生産の知見やデザインのデータを活用。洋服のジャンルや素材、デザインなどを選ぶことでユニホームの製作を行うことができる、“BtoB版のマスカスタマイゼーション”を提供する。同サービスは1月30日にローンチしており、順次導入企業を拡大していく予定だという。
3つ目の「シタテル スペック」は、生産機能を持つECとして試験的に運用していたβ版から19年12月にアップデートし、初期費用不要で受注生産と販売を一体化。導入事業者が考案した衣服の企画をサポートし、サンプルの生産から商品撮影、ECサイトでの受注販売を行う。受注したアイテムは2週間~1カ月ほどで消費者に届く。D2Cモデルでの商品販売において課題となる服作りのノウハウの不足や販売スキームの欠如、在庫問題などの解決を図る。導入事業者は初期費用や製作費が不要で、在庫リスクを抱えることなく、売り上げ金額の20%前後をライセンスフィーとして受け取る仕組みだ。
シタテルの河野秀和社長は「単にブランドと生産する側、という二面的な取引から、ユーザー間のダイレクトなやり取りといった多面的な取引も生まれてきている。われわれも多面的なサービスに対応し、新しいサプライチェーンを作っていくつもりだ。ユーザーの目的がスムーズに実行できるよう、プロダクト開発を推進していく」と語った。