ファッション
連載 働くママのざっくばらん“本音”トーク

時短=手抜きではない!「子育て業務効率化」を考えてみた  働くママのざっくばらん“本音”トークVol.3 ファッション編

 「仕事は業務効率が求められるのに、育児は数値化できない“手間・暇・愛情”という言葉でまとめられる」。こんなの過去の話だと思っていたけど、ママになってみると似たような世間の風潮を感じることが少なからずあります。何より「育児の効率化」=「手抜き」ではないのに、正解がない子育てでは「怠けているだけかも?」と自己嫌悪に陥ることもしばしば。ママ連載第3回のテーマは、「子育て業務効率化」について。ズボラな元「WWDジャパン」記者のママ2人が、「基本的に家事全般が面倒」というスタンスで、すでに実践している&試してみたい家事時短の術を考えます。

村上杏理(以下、あんり):突然だけど、子育てしながら仕事をしていると毎日があっという間に終わるよね。

一井智香子(以下、ちかこ):仕事があるのはありがたいけど、ママになってやることが格段に増えた。

あんり:正直、「WWDジャパン」の編集部だったときは、今より人生で忙しいことってあるのかな?と思っていた。でも子どもができて、臨機応変に対応しなくてはいけことが多くなって、スケジュールを立て難いのが大変。

ちかこ: 1日24時間の限られた時間で育児&仕事をやりくりするのは、忙しさの種類が違うよね。とはいえ、いつもどこかで楽したいと思っているから(笑)、家事を最大限に効率化する必要がある。根っからにズボラな性格だからこればかりはなんとかしたい!

あんり:ママになって、「名もなき家事」の大変さを実感する日々。ごはんを作るだけでも、1日3セット。独身時代のように、忙しいときは面倒だから食べないという選択肢はもうない。

ちかこ:そうなんだよね。ご飯作りが一番厄介!掃除や洗濯は流れ作業でできるけど、ご飯を作るのは、献立から買い出し、調理まで圧倒的にステップが多い。お総菜に頼っちゃうことも多いけど、味が濃くて子どもが食べてくれないことも。

あんり:私たち色々理由を付けているけど、ただ単に面倒くさいんだよね(笑)。掃除や洗濯は、1日やらなくても他人にはバレない。私は娘が入園前だから昼寝以外、ほぼ自由時間はなし。でも、急にぐずったり体調を崩したりしても原稿の締切は厳守できるように、色々先回りして進めたい。

ちかこ:急なトラブルに備えて前倒ししたいから、ますます効率化できることは進んで実践したい!

子ども部屋を分けて、ダサいおもちゃを“隔離”!

あんり:その通り。わが家では掃除効率化のひとつとして、おもちゃ部屋とリビングを分けた。娘が生まれてすぐは、リビングの色味になじむおしゃれなおもちゃを探していたけど、カラフルでちょっとダサいくらいのモノの方が子どもは楽しそう。部屋を分けることで、わんわんやアンパンマン、私が嫌いなピンク色のモノもOKにした(笑)。今はミニーマウス一色だけど、リビングに転がっているおもちゃを一日中片付けてる、なんてことがなくなったからすごく楽。

ちかこ:娘ちゃんの部屋、ちょっとした児童館みたいになってるもんね(笑)。基本的に雑なんだんけど、マイルールはある。いわゆる“こじらせ”女子だから、面倒だと思う家事が多いのかもな。

あんり:だからこそ気づけば私たち、現代の“新三種の神器“とも言える「ドラム式洗濯機・食洗器・電気鍋」をお互いにいくつか愛用しているよね。

ちかこ:ズボラ主婦の典型(笑)。

大容量のドラム式洗濯機で、“乾かない”ストレスから解放

あんり:わが家は半年前に、25万円くらいのドラム式洗濯機を新調して、洗濯をとりまく環境も変えた。

ちかこ:最新の洗濯機はうらやましいな。天候を気にして洗濯物を取り込んだりする手間は、地味に大変。

あんり:以前は、洗濯自体は午前中に終えても、そこから仕事を優先して、結局干すのは午後。乾かなくてもう一度洗うというのを繰り返していた。でも今は7kgの洗濯物が一気に乾くから、おしゃれ着以外は干すのを止めた。多少傷むのは早いけど、割り切っている。これだけで自分でも驚くくらいストレスが減って、最新家電の凄みを感じたよ。

ちかこ:あんりちゃんの家には、食洗器もあるよね。

あんり:食洗器もすごく便利!でも無駄に几帳面で、洗剤残りや特有の匂いが気になるから、結局半部くらいは手洗いしている。

ちかこ:じゃあ、あんまり意味ない?

あんり:普段の生活よりも、大人数で食事をするときに、ゲストに「洗いモノ気にしないで、たくさん食べて飲んで!」と言えるから気が楽。

ちかこ:ただの良い人(笑)。あんりちゃん、来客者に振る舞うご飯と酒の量がいつも炊き出しのようだもんね。

「心の余裕」を生む、“ほったらかし電気鍋”

ちかこ:ところであんりちゃんに一緒に家電量販店に付き合ってもらったけど、 “ほったらかし電気鍋”で話題の「ヘルシオ ホットクック」を買いに行ったでしょ?あれ、本当に買ってよかった。もっと早く買ってもよかった(笑)。

あんり:そうだったね。そもそもなんで「ヘルシオ ホットクック」に手を出したんだっけ?

ちかこ:ある友達に「家事は尽きないけど、時間の余裕が心の余裕を生む」という格言とともに勧められて、即購入を決意した(笑)。その子がインスタグラムに「ホットクック」をアップしたら、周りのママ友8人が購入したらしいよ!私もその一人ね。

あんり:それは名言!子どもにイライラしているときの根本的な原因は、私も100%何かの業務が滞っているとき。

ちかこ:早く寝かしつけたいのに、子どもが寝ないとかね。気持ちが伝わるのか、そんな日に限って全然寝ない。

あんり:で、「ホットクック」の使い勝手は?

ちかこ:材料を刻んで調味料と一緒に鍋に入れるだけで、色々な料理を勝手に作ってくれる。その間に保育園のお迎えに行けるし、洗濯物も取り込めるし、子どもが遊びたいときに待たせて愚図られることもない。

あんり:「ホットクック」のような“電気調理鍋”と、ティファールの「クックフォーミー」のような“電気圧力鍋”って、どっちも流行っているけど、全然違うモノなんでしょ?

ちかこ:全然違う。“電気調理鍋”は完成までに少し時間は掛かるけど、材料を入れた後は、放置できる。“電気圧力”は、“圧力”をかけるステップだけが自動だから、その前後の焼いたり、煮詰めたりは手動。そんな細かいタイムスケジュールをこなすのは今は無理だな。

あんり:でも幼少期に、母親が圧力鍋を大爆発させた瞬間を目の当たりにした身からすると、料理好きのママなら“電気圧力鍋”も便利そうかもと思う。肝心の味は?

ちかこ:大爆発とか普通トラウマにならない!?まぁそれは置いておいて、イマイチなレシピもあったけれど、煮込み料理はおすすめだよ。1時間ほったらかすだけで、2日目までとはいかないけど、1日半目のコクがあるカレーが出来上がる(笑)。野菜や肉がトロトロに柔らかくなって感激した!息子がお腹を壊したときに煮込みうどんを作ってみたけど、たくさん食べてくれたよ。離乳食にも使えそう。

あんり:そう言われると逆に、あまり美味しくないモノが何なのか気になる。

ちかこ:炊き込みご飯はイマイチだったな。レシピによって、いわゆる“家庭の味”と違うモノがある。でも無線LANでつなげば、新しいレシピを提案してくれたり、予約調理をセットしておけば帰宅するタイミングでできたてを食べられたりなど、全体的にとても満足。

あんり:私は毎日4時起きで、娘が起きる8時までが仕事のコアタイム。ママになると午前中の時間の使い方が勝負だから、それはポイントが高い。昔はみんなで朝方3時くらいまで飲んで帰宅してたけど、人間って変われるんだね。

ちかこ:あの頃が懐かしいよね……(遠い目)。でも午前中に業務の目途が付くと、午後から気が楽になる。それに子育てが絡むと、また一気にスケジュールが乱れちゃうんだけど……。

あんり:乱される前提で、めちゃめちゃ効率を求めている。

ちかこ:今はできないことも多いけど、ママになってからは締め切りの前日までには原稿を渡したいと思って仕事するようになったよね。

あんり:同感。かつて、編集部にいるママたちが午前中にものすごい早さで仕事を片付けている隣で、コーヒー飲みながらスロースターターを切っていた自分に喝を入れたい。「その仕事、あと2時間巻けるぞ!」ってね(笑)。

ちょっと気になる便利家電は、サブスクがお得!?

ちかこ:結果的に「ホットクック」は、5万円近くしたけど買ってよかった。でももし使ってみて自分の生活スタイルに合わなければ、この値段は高いって思ったかもしれない。だから今、ちょっと定額で試せる家電のサブスク(=サブスクリプション。定額制のレンタルサービス)に憧れている。

あんり:家電にもサブスクがあるんだね。特に気になるモノは?

ちかこ:スマートスピーカー。あったら便利そうじゃない?もう少し子どもが大きくなったら活躍しそうかなと。

あんり:「アマゾン エコー」は、知り合いの家で使わせてもらったことがあるんだけど、特に水仕事をしているときに重宝しそう。子どもが好きな音楽をすぐにかけてあげたり、その子自身もアレクサに話しかけて反応を楽しんだりしていて。使ってみたくなった。色々な家電と連動できるのもいい。

ちかこ:そうそう!洗い物中で手が離せない時、子どもへの「ちょっと待って」は小さなストレスだからね。それが解消されるのは魅力。ただ最低貸し出し期間が1年とかの家電も多い。あと数千円プラスして自分のモノになるなら、買った方が手っ取り早いのかな?

あんり:でも数千円の差は主婦には大きい!そんなこと言ってたら、次こそSNSで炎上しちゃうよ。第1回目の連載の内容が、転載されたヤフーニュースで平和に議論されていて、お互い胸をなで下ろしたじゃない。

ちかこ:私たちズボラ母は、子育て業務効率化の前に、家計簿をつける必要があるかもね(笑)。

一井智香子/(いちのい・ちかこ)1986年神奈川・逗子生まれ。慶應義塾大学商学部を卒業後、三越伊勢丹に入社。伊勢丹新宿本店メンズ館1階の紳士雑貨でアシスタントバイヤーを務めた後、2011年にINFASパブリケーションズ入社。「WWDジャパン」記者として、主にメンズファッションを担当。ピッティ、ミラノ、パリメンズコレクション取材を始め、セレクトショップや百貨店、ファッションビルのビジネス動向を取材。現在はフリーランスとして、ファッションやライフスタイル系の記事執筆を手がける。1男児の母

村上杏理/(むらかみ・あんり):1986年、北海道生まれ。大学で日本美術史を専攻し、2009年にINFASパブリケーションズ入社。「WWDジャパン」記者として、東京のファッション・ウイークやセレクトショップ、販売員取材などを担当。16年からフリーランスで、ファッションやライフスタイル、アートの記事執筆・カタログなどを手掛ける。1女児の母

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