英国で誕生し250年以上にわたって同族経営によるビジネスを継承してきたラグジュアリーフレグランスのクリード(CREED)が、米資産運用最大手ブラックロック(BLACKROCK)のプライベート・エクイティ(PE)ファンドであるロングターム・プライベート・キャピタル(Long Term Private Capital、以下LTPC)と、スペインの実業家で酒造企業、ディアジオ(Diageo)の会長を務めるジャヴィエ・フェラン(Javier Ferran)に売却される。金額などの詳細は非公開。
6代目オーナーのオリヴィエ・クリード(Olivier Creed)はマスター調香師を継続し、フェラン氏が取締役会長に就任する。オリヴィエ・クリード氏の息子であるアーウィン・クリード(Erwin Creed)も引き続きビジネスに関わる。
ジャヴィエ・フェラン氏はこれまでにニッチなラグジュアリーブランドやヨーロッパのファミリービジネスを長く手掛けた実績がある。酒造メーカーのバカルディ(BACARDI)に20年以上勤め、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域の責任者や最高経営責任者、コカ・コーラ・ヨーロッパ・パートナーズの役員を務めた人物。ブラックロックLTPCのヨーロッパにおける投資案件はこれが初めて。
クリードのリポートでは、現在メンズフレグランスが同ブランドのビジネスの70%を占め、ウィメンズを35~40%まで引き上げようとしている。情報筋によれば同ブランドの売り上げは2億ドル(約220億円)を超える。
日本では香水の輸入・販売を手掛けるブルーベル・ジャパンが2004年から「クリード」を取り扱い、高級メンズフレグランスとして人気を得ていたが、供給が安定しないことなどを理由に昨年5月に取り扱いを終了していた。