バーバリー(BURBERRY)は3月19日、「新型コロナウイルスの影響に関するアップデート」というプレスリリースを発表した。同社は2月7日にも同様のリリースを出しており、これはその最新版となる。
今回の発表では、ここ6週間の売り上げが前年同期比40〜50%減であること、また3月後半における既存店ベースでの売上高が同70〜80%減になると予想されることが述べられている。これらを踏まえて、2020年1〜3月期(第4四半期)の売上高は同じく既存店ベースでおよそ30%減になると見込んでいるという。
2月の時点では、新型コロナウイルスが主に中国などアジア地域で猛威を振るっていたため、バーバリーは中国本土にある64店のうち24店を一時的に休業していた。アジア・太平洋は同社の売上高のうち40%を占めている最大の市場であり、現在は中国にある店舗の多くが営業を再開している。一方で、ヨーロッパ、中東、インド、アフリカにある店舗の60%が、南北アメリカでは85%が休業しているため、世界中の直営店のおよそ40%が現在休業している計算になる。時短営業をしている店でも客足は途絶えており、今後の情勢によっては休業せざるを得ない店舗がさらに増加することが予想されるという。
マルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)最高経営責任者(CEO)は、「2月のプレスリリース以降、新型コロナウイルスによるラグジュアリー業界へのマイナスの影響はさらに甚大なものとなっており、現在ではそれが世界中のあらゆる地域に及んでいる。当社は引き続き従業員や取引先、顧客の安全を最優先に考えつつ、運営費用などを抑制して事業を守っていく考えだ。ブランド力の強さや健全な財務状態をベースに、これまで実施してきた事業戦略を今後も自信を持って続けていく」と語った。同社によれば、費用の抑制には店舗賃料の交渉、出張の制限、裁量支出の削減などが含まれている。
同社が1月22日に発表した19年10~12月期(第3四半期)決算での売上高は前年同期比1.1%増の7億1900万ポンド(約920億円)で、今後の見通しについても「1ケタ台の成長率」としていたが、2月7日のプレスリリースではそれが難しくなる可能性があることを示唆していた。また、4月23日に上海で開催する予定だった20-21年秋冬コレクションのショーは延期されている。