ファッション
連載 齊藤孝浩の業界のミカタ

H&Mに重くのしかかる「在庫問題」 齊藤孝浩のファッション業界のミカタVol.14

有料会員限定記事

 企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版社)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回は前回に引き続き、H&Mの決算から同社の課題を解説する。(この記事はWWDジャパン2020年6月8日号からの抜粋です)

 H&Mの低迷の理由として、前回(5月11日号)は大量出店による販売効率低下と、調達先の東南アジアへのシフトで、店頭の面白みが減ってしまったことを挙げました。今回は“在庫問題”についてお話しします。

 在庫を話題にする際、一般的には期末在庫を基準にした「在庫回転率」を指標にすることが多いです。しかし、例えば年間4回、商品が回転しているなどの計算をして、前年との効率の比較はできても、企業のどのタイミングの在庫を切り取るかによっても変わりますので、意外と実感が持てる数字が出ないことが多いんです。そのため、小売業の場合、これから未来の売り上げにつながる何日分の在庫を持っているか?を表す在庫日数、または在庫週数の方を重視しています。

この続きを読むには…
残り3042⽂字, 画像5枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。