ユニクロは、2021-22年秋冬商品からアルパカ素材の使用を中止すると発表した。サステナビリティ推進の一環。アルパカに先立って、ユニクロは18年の時点でモヘア素材も20年までに使用中止すると発表しており、実際20-21年秋冬物ではモヘアを使用していない。
アルパカの毛刈りについては、米国のアニマルライツ運動団体PETAがペルーにある世界最大規模のアルパカ農場、マルキニ(MALLKINI)を覆面調査し、毛刈りの際に殴ったり蹴ったりといった残酷な行動があると告発。5月末にPETAの公式サイトやユーチューブで動画を公開していた。PETAは公式サイトで、「PETAや関連会社との協議を経て、マークス&スペンサーやエスプリなどはアルパカの段階的使用中止を決め、ギャップやH&Mヘネス&マウリッツはマルキニとの取り引き停止を決めた」と発表している。
ユニクロにもPETAからのコンタクトはあったというが、それに応えてというよりも、「ユニクロは社会・環境に配慮した『サステナブルな商品』の実現に向けて、倫理的で責任ある方法による原材料の調達を継続的に推進しており、アルパカ使用中止もその一環」(ファーストリテイリング広報)という。
ユニクロは秋冬の主力素材の一つ、メリノウールについても、15年にミュールシング(虫の寄生を防ぎ清潔に保つため、子羊の臀部の一部を切り取ること。無麻酔で行われるため、アニマルライツに反すると批判されるケースがある)を実施していない農場の素材に切り替えている。
ユニクロと同じくファーストリテイリング傘下のジーユーは、「現在もアルパカを使用しておらず、今後も使用しない」。