米ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)が7月8日に、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用をデラウェア州の破産裁判所に申請したことで、一躍“時のブランド”となった「ブルックス ブラザーズ」だが、今回の「出張インタビュー」の収録はその直前の7月2日に行った。目的は、8月30日で41年の歴史に“一時的”に幕を閉じる青山店で「ブルックス ブラザーズ」の、そしてアメリカントラッドの象徴である紺ブレをオーダーして、9月4日に予定される表参道店のオープンを迎えよう!というものだ。案内をお願いしたのは、日本で唯一のブランドアンバサダーである大平洋一さん。
ブルックス ブラザーズ ジャパンの株式の60%は破たんした米本社が保有するが、同社広報は「当社はダイドーリミテッドとの合弁会社であり、財務的にも独立している。米本社から融資などの支援を受けていないし、未回収の債権もない。つまり重大な影響を受けることはない」と話す。事実、日本でのビジネスは継続するし、青山店の閉店を“一時的”と書いたのは、本計画が青山エリアの再開発に伴うものであり、小布施森一ブルックス ブラザーズ ジャパン社長が、「建て直されるビル内に、あらためて“新・青山店”を開店する予定だ」と話すからだ。
個人的に、アメトラにはメンズ服の(ほぼ)全てが詰まっていると思う。つまりそれは服装の基本であり、基本が分かった上でのハズシなのか否かは、着こなしに大きく影響する。とはいえ表参道を歩く人が皆、紺ブレになるとは思えず、ファンとして“200年ブランド”の火を消さないために、今回はオーダーという方法で少しだけ協力した。米本社の整理の一環として米国内の3工場が8月15日で閉鎖され、“MADE IN USA”が失われてしまうのでは?という一抹の寂しさはあるものの、「挑戦の場」(小布施社長)と位置付ける表参道店のオープンは楽しみでならない。