中国の投資会社フォースン インターナショナル(FOSUN INTERNATIONAL)傘下のランバン(LANVIN)は、新たなデピュティー・ジェネラル・マネジャーにアルノー・バザン(Arnaud Bazin)を任命した。
同氏は2019年11月にランバンに加わったグレース・チャオ(Grace Zhao)=アジア太平洋地域事業デピュティー・ジェネラル・マネジャーと共に、ブランドのグローバル戦略の策定などを担当する。
ジョアン・チェン(Joann Cheng)=フォースン ファッション グループ(FOSUN FASHION GROUP)会長兼ランバン会長は、「アルノーがランバンに加わったことを大変うれしく思っている。グレースの手腕によってアジア太平洋地域事業が大幅に伸びており、アルノーは世界的な成長を実現する2つ目の“エンジン”として活躍してくれるだろう」と語った。
バザン新デピュティー・ジェネラル・マネジャーは、「『ランバン』はフランスの歴史的遺産ともいえるブランドの一つであり、(19年1月に就任した)ブルーノ・シアレッリ(Bruno Sialelli)=アーティスティック・ディレクターの下で新たな章が始まったところだ。『ランバン』にはブランドとして多くの強みや高い将来性があると確信しており、その開発チームを率いることができてうれしく思う」と述べた。
同氏はラグジュアリー業界において25年以上にわたる経験があり、前職はヴェルサーチェ(VERSACE)のコレクション・マーチャンダイジング担当シニア・バイス・プレジデントだった。それ以前にはクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)でレザーグッズ、アクセサリー、シューズ部門のマネジング・ディレクターを6年間務めたほか、シャネル(CHANEL)でレザーグッズのマーケティングや商品開発に携わった後にファッション部門のマーチャンダイジング・ディレクターを務めた。またエルメス(HERMES)、カッシーナ(CASSINA)、プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)などで経験を積んでいる。
「ランバン」はここ数年、混迷が続いている。アルベール・エルバス(Alber Elbaz)が15年に同ブランドを去って以降、後任のブシュラ・ジャラール(Bouchra Jarrar)が在任わずか16カ月で退任し、オリヴィエ・ラピドス(Olivier Lapidus)も2シーズンで去るなどウィメンズのトップが定着しなかった。18年には会社清算の危機に直面し、フォースンが過半数株式を取得したことで傘下に収めている。メンズも18年11月には13年間クリエイティブ・ディレクターを務めたルカ・オッセンドライバー(Lucas Ossendrijver)が退任した。19年からはシアレッリ=アーティスティック・ディレクターがメンズとウィメンズの双方を統括し、ブランドの若返りと再建に着手しているが、20年3月にはジャン・フィリップ・エケ(Jean-Philippe Hecquet)前最高経営責任者(CEO)が退任。現在も後任は決まっておらず、チェン会長が暫定的にCEOを務めている。