アダストリアが日本でライセンス展開する韓国発のセレクトショップ「エーランド(ALAND)」の国内1号店が、10月8日の開業に先立ってお披露目されました。1号店があるのは東京・渋谷。センター街にほど近い宇田川通り沿いで、以前はアダストリアの「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」渋谷店があった場所です。同ショップはアルバイトスタッフに約900人の応募があった(以前の報道で800人とありましたが、その後の最終集計では900人だったそう)という、韓国カルチャー好きから大注目を集めるショップ。早速店内をパトロールしてきました!
お店は1、2階の2フロア構成で、売り場面積は約627平方メートル。韓国国内の店舗(カロスキルの路面店など、9店あります)は2000平方メートル前後とのことなので、それらに比べるとやや小さめ。その分、キッチングッズや植栽などを省き、ファッションやコスメ、アクセサリーなどに重点を置いた商品構成になっています。
内装は、白い壁と床に青い什器というコントラストが効いていて、アートギャラリーのような雰囲気。導線をあえて分かりにくくしており、「ソウルの路地裏」をあっちへこっちへと歩いているような感覚を狙っているそうです。韓国といえばK-POPミュージックも人気ですが、店内ではK-POPはかけず、内装同様にモダンなイメージをアピールしていくそう。
日本1号店を作るうえで重視したのは、韓国の「エーランド」が掲げている“鮮度”と“多様性”。2020-21年秋冬は約100ブランドを扱い(面積が広い韓国の店舗は約700ブランド扱っているそう)、1階は韓国ファッションの特徴でもあるユニセックスブランドと、コスメやスマートフォンケース、アクセサリー、ライフスタイルグッズなどをそろえています。ラックごとに異なるブランドを陳列しており、頻繁に店頭のフェイスを入れ替えていつ来てもフレッシュな印象を保つそうです。
2階はユニセックスのブランドではなく、ウィメンズ、メンズとして打ち出しているブランドを並べています。ただし、メンズのテーラードジャケットやセットアップであっても、女性に支持されそうなデザインや色使いが豊富でした。実際、男性だけでなく女性による購入を狙っているそうです。1、2階ともに、スエットなどのトップス類が品ぞろえの中心で、なんとアパレル商品のうち7割がトップスだそう。日本のブランドだと、アウターやボトムスもそろえて「いかにトータルコーディネート提案するか」が当たり前になっているので、その点はかなり新鮮でした。
オープンに先立ち、9月から定期的にインスタライブなどでショップ情報を発信してきたことで、既に問い合わせ多数のアイテムやブランドがいくつか生まれているそうです。例えば、アイドルグループのNiziUが韓国から日本に帰国する際に“空港ファッション”として着用していた「カバーナット(COVERNAT)」がその一つ。他にも、「クロッティ(CLOTTY)」の綿菓子柄アップリケのスエットや、「ゴーニーゴーニー バイ オーアイオーアイ(5252 BY O!OI)」などのブランドやアイテムが人気のようでした。
中心価格帯はトップス6900円、ボトムスは7900円、アウター1万5000円。想定客単価は9000円。輸入関税の関係で、韓国のお店で買うよりは少し高いですが、内外価格差は約1.4倍とのこと。韓国では10~20代のファンが多いそうですが、日本では公式インスタグラムのフォロワー構成から分析して30代も取り込めると見ています。その分、3万円台のワンピースなど比較的高額な商品もそろえていました。
内覧会には有力デベロッパーの開発担当者もこぞって訪れており、デベロッパーからの注目度の高さもビシバシ感じました。「今後は495平方メートル以上の面積で商業施設内を含め出店し、5年で30店規模を目指す」(樋口和之エーランド事業部長)とのこと。「是非うちに出店を!」というデベロッパーからの依頼は既に多数舞い込んでいるそうですが、日本の商業施設内で495平方メートルのショップとなるとかなり広大なので、どこのデベロッパーが2号店を誘致するかも注目です。1号店の初年度売り上げ目標は7億円。将来的には、「1店あたり年間売り上げ10億円」を掲げています。