ビューティ

米国で政治マーケティングが加速する背景と、大統領選後の見通し

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 ファッションとビューティ、オフラインとオンラインを結びつける「WWDジャパン」がスタートするビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のビューティニュースを起点に識者が業界の展望を語る。識者は、美容媒体の編集長やコンサルタント、エコノミスト、そしてサロンスタイリスト。ビューティ業界の半歩先は、ファッション業界の“道しるべ”にもなるだろう。今週はエコノミストによる「政治マーケティング」と「ライブコマースの報酬制度」の話。(この記事はWWDジャパン2020年11月23日号からの抜粋です)

今週の識者
崔真淑/エコノミスト

 米国における大統領選挙とひもづけたグッズ販売が話題になっている。「米大統領選『VOTE』グッズをまとめてお届け!」の記事にあるようなファッションブランド以外にも、「ビューティベイカリー」がバイデン氏をサポートする組織とコラボしたり、ミレニアル世代に人気の「グロシエ」や「ザ リップ バー」などは、ミシェル・オバマの非営利団体「When We All Vote」とパートナーシップを組むなどしている。

 こうしたグッズ販売や企業による支持政党の表明が活発になる背景には、米国の政治における「赤(共和党)」対「青(民主党)」の二極化が進んでいることがある。経済紙「フィナンシャル・タイムズ」によれば、1992年の段階では有権者の65%がどちらについてもおかしくない無党派層だった。しかし2020年になると、無党派層が全体の50%以下まで減っている。

 一方で、極端な共和党支持者、極端な民主党支持者がこの30年間で増え、いまや有権者全体の8%が極端な民主党支持者だ。民主党と共和党の政治の立場が年々乖離し、政治が両極化するにつれ、有権者の政治に対する好き嫌いの度合いも明確に強くなってきている。こうした現状が、消費者の商品購入の動機にも表れている。

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