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コロナ禍でも2ケタ成長を続ける「ラ ロッシュ ポゼ」 “トーンアップUV”が大ヒットした要因は 

 日本ロレアル(NIHON L’OREAL)が展開する、フランス発のダーモコスメブランド「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」はコロナ禍で成長が加速した稀有なブランドのひとつだ。過去2〜3年、毎年2ケタ成長し、新型コロナウイルスにより多くの経済活動にブレーキが掛かる中、時代に合った製品とコミュニケーションで成長をし続けている。同社の中でドクターズコスメブランドを主に扱うアクティブコスメティクス事業部をリードするブランドだ。

 「ラ ロッシュ ポゼ」はフランス中西部に位置するラ ロッシュ ポゼ村の皮膚ケア施設から生まれたブランドで、同地域の湧水、ターマルウォーターを配合している製品を展開している。敏感肌でも使えるアイテムを手掛け、一般消費者だけでなく世界中の皮膚科医からも推奨されている。中でも、肌色を自然に明るく見せる日焼け止め“UVイデア XL プロテクショントーンアップ”がブランドのキーアイテムとして存在感を発揮している。

 2020年1月に事業部長に就いたスティービー・キャメロン(Stevie Cameron)氏は人気の要因について「まずは、われわれが敏感肌のエキスパートとして信頼を得ていることが大きいだろう。肌を紫外線や大気中微粒子から守るプロテクション効果や肌を保湿するスキンケア効果、さらに自然にトーンアップしたり艶を出すメイクアップ効果も備えながら、敏感肌でも使えるというマルチ機能が大きなポイントだ。その信頼と製品力により多くの口コミを生み出し、さらにベストコスメ賞を数多く獲得したことがヒットにつながった」と説明する。
 
 コロナにより人々の意識は大きく変わった。体の内側から免疫力を高めることに加え、外的要因からプロテクトするという考え方が台頭している。化粧品ではスキンケアを重視する傾向が強くなっているが、加えてベースメイクでも守るといったコミュニケーションが人気の引き金になっている。“UVイデア XL プロテクショントーンアップ”はまさに、それをかなえる製品として好評で、さらには守るだけでなく、スキンケアやトーンアップ効果などのプラスαの差別化も人気を高めている。同アイテムで若年層を含む多くの新規顧客の獲得にも奏功し、使用者のリピート率も高くブランド顧客を増やしているという。

 差別化は製品開発の段階から始まっている。フランス発グローバルブランドでありながら、アジア人女性の肌悩みやニーズを研究して開発。「日本、中国、北米、ヨーロッパに研究所があり、ローカライズされた製品を生産している。日本の研究所で開発された製品は、日本と韓国マーケットに向けた製品を手掛けている」とし、「本社はフランスなので基本的に製品はフランス発のものが中心になるが、今後も日本人・韓国人特有の肌ニーズがあれば応えていきたい」と話す。

新型コロナで変化する消費者の意識も影響

 多くの化粧品ブランドはロックダウン中に実店舗の閉店でビジネスに影響を受けたが、ロックダウン中でも営業を続けていたドラッグストアで扱いがあるのは大きなプラスになったのではないかと考えたが、「実際、ドラッグストアも打撃を受けたので、成長し続けているのはそれだけではない。ますます健康に気を遣う人が増える中で、化粧品の中身や安全性に気を遣う人も増えている。創業当時から皮膚科医の協力を得て製品を開発し、世界中の皮膚科医から採用されているわれわれの製品への信頼が改めて厚くなったと考える。何十年もの間、医療従事者と協力して製品を開発し、敏感肌の人や赤ちゃんでも使える製品を作ってきた。今後も、肌の健康を追求し、肌トラブルに対するソリューションを提供する」と語る。混沌とする今の時代に求められる要素が詰まっている。

 さらに、今の時代に避けては通れない環境問題にも積極的だ。本国では、ロレアルがフランスのアルベア(ALBEA)と協業して開発したペーパーチューブの導入を同社のブランドの中で「ラ ロッシュ ポゼ」が先行してはじめている。具体的な施策は現在計画中だが、日本市場でも同様にサステナビリティの取り組みを企画しているという。

 日本施策として11月12日(“皮膚の日”)から5週間にわたりライブ配信番組「#MySkinStories」も配信した。友利新・皮膚科医兼内科医や吉田貴子・皮膚科医兼美容皮膚科医ら皮膚科医が近藤千尋やクリス・ウェブ佳子など敏感肌のタレントとともにトークショーを行っており、敏感肌ならではの悩みを話し合ったり、視聴者とのコメントに応えたり、敏感肌コミュニティーをサポートする施策にも力を入れる。

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