ビューティ

「オーシャントーキョー」の高木琢也代表 バズった「カリスマシール」の裏側を語る

 人気ヘアサロン「オーシャントーキョー(OCEAN TOKYO)」の高木琢也代表が10月に始めた“カリスマシール”の施策が話題を集めている。高木代表を含めた同サロンの9人の幹部のシールを作り、オリジナルヘアケア「オーシャントリコ アンサーシャンプー」か「同 トリートメント」を購入すると1枚付いてくるという企画で、シールが数量限定ということもありSNSで大いに“バズった”。ここではその背景や目的を、企画の発案者でもある高木代表に聞いた。

WWD:企画を思い付いたきっかけは?

高木代表(以下、高木):僕はいつもスタッフやメディアに「自分たちの仕事は髪をカッコよくするのは当たり前で、プラスアルファがないとだめ」と言っていて、考え方のベースは常にそこにあります。商品にしても、使って髪がきれいになるのは当たり前で、さらなるワクワク感を提供したいと考えていました。髪だけじゃなく心を動かすものを作りたかったんです。シールに関しては、僕自身も「ドラゴンボール」や「キングダム」の“どの種類が入っているか分からない”シールでワクワクした経験があるので、以前からうちでもやりたいと考えていました。そのうちにコロナ禍で世の中のムードが沈んでしまい、改めてお店に来てくれる人にはワクワクしてほしいという思いが強くなったので、このタイミングでスタートしました。

WWD:バズりましたね。

高木:狙い通りですね。バラエティーショップでも販売しているのですが、とある店舗では(シャンプーが)1カ月に400本売れれば大ヒットとされるところ、1日で400本売れたみたいです。

WWD:バズらせるためにこだわったポイントは?

高木:一番こだわったのは「キラシールじゃないとだめ!」ということ(笑)。普通のシールならもっと作りやすかったけど、キラキラしていないとアガらないですよね。あとディテールにもかなりこだわりました。例えば僕のシールは、ヘアコンテスト(業界最大級の「ホットペッパービューティー」主催のヘアコンテスト)で3連覇しているのでトロフィーが3つあって、背景が富士山で、天下を取った将軍がひれ伏しているんです(笑)。幹部たちのシールに関しても「いつも自分が着ているような服にしよう」と話したほか、例えばフェードスタイルが得意な七五三掛代表はバリカンを持っていたり、パーマが得意な森田店長のパーカのフードにロッドが入っていたりと、個性を出すためのアイデアは時間をかけて練りました。

WWD:確かに、見れば見るほどこだわりを感じる。

高木:そうですね。あとこれは仕事にも通じるところがあって、僕は「技術の細部へのこだわりが個性を生んで、その個性を打ち出せないとスタイリストとして売れない」と考えているんです。このシール作りを通してそのことが伝われば、という裏の狙いもあります。

WWD:シールになった幹部たちも絶対嬉しいと思う。

高木:幹部たちも喜んでくれたし、その下のスタッフたちも「自分も頑張ればシールになれる!」と夢を持ってくれたと思います。一人のスターがいる会社はたくさんあるけど、当社はそうではなく、全員にスターになってほしいと考えているんです。僕だけでなく、幹部たちのシールも作ったことで、その姿勢を表現したつもりです。幹部が9人いるので、よく最近の幹部会では「(人気漫画『鬼滅の刃』になぞらえて)自分を“柱”だと思ってそれぞれの店舗を盛り上げてほしい」と話しています。そうすると、幹部から「高木さんはどの“柱”ですか?」と言われてしまうんですか……。

WWD:どの“柱”ですか?

高木:いや、お館様(産屋敷耀哉)しかないでしょう(笑)。

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