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「ドゥーズィエム クラス」が新宿、福岡、表参道の3店を一挙リニューアル ライブコマースも始動

 ラクラス(ベイクルーズグループ)のウィメンズブランド「ドゥーズィエム クラス(DEUXIEME CLASSE)」は3月5日、新宿ルミネ1の店舗をリニューアルした。19日にはアミュプラザ博多(福岡)内の店舗もリニューアルし、28日には東京・表参道の路面店を移転オープンする。コロナ禍で外出を控える消費者が増えている中で、「わざわざ来ていただくからには、お客さまに楽しんでもらいたい」(工藤恵梨子ディレクター)として、各店の顧客層に合わせてVMDや接客空間を変更。これを機にライブコマースもブランドとして初めて導入し、実店舗とECとの融合(以下、OMO)も強化する。

 コロナ禍で今春は引き続き投資を絞っている企業やブランドが多い中で、同時に3店舗をリニューアルするという姿勢はなかなかアグレッシブ。昨年春に増床していた新宿と、同じくターミナル立地の福岡は、「何かの用事のついでに来店するお客さまが多い。そういう方がほしいものをすぐに見つけられる店を目指す」。具体的には、店内に「パリのキオスクをイメージした」という“ビジュアルブース”を新設し、そのとき打ち出したいイメージや商品をアピール。同時に店内の導線も客が回遊しやすく、販売員が働きやすいように整えた。店舗面積は新宿が約180平方メートル、福岡が約186平方メートル。

 唯一の路面店である表参道の店舗は、姉妹ブランドである「アパルトモンL’APPARTEMENT」青山店と同じビルの1階に移転する。骨董通り沿いで、以前はベイクルーズグループが運営するカフェだった場所だ。「もともと、『ドゥーズィエム クラス』と『アパルトモン』を買い回りするお客さまが多かったので、『アパルトモン』の店の近くで探していた。青山店は“スペシャリティーストア”をコンセプトに、路面店としてサービスを強化する」。接客力の高い販売員を集めるとともに、ゆっくりと買い物ができるようにソファなども設置。店舗面積は約142平方メートル。

ECの先行予約を青山店でも実施

 OMO推進や、店舗運営作業の効率化も今春のリニューアルのポイントだ。ライブコマースに積極的なベイクルーズグループの中でも、「ドゥーズィエム クラス」はこれまでライブコマースを行ってこなかった。「新しいお客さまも取り込みつつ、同時に既存のお客さまにも満足いただける内容は何かをずっと考えていた」と工藤ディレクター。第1回目は、路面店であるため来店の心理的ハードルが高い青山店の紹介と、新作の紹介を行う予定だが、「お客さまの反応を見ながら内容は柔軟に考えていく」。自社EC上のライブコマースツールを使用して配信する。

 また、インスタグラムの販売員個人アカウントもスタートし、まずは2人の販売員が発信。「アイテムそのものよりも、袖のまくり方やボタンの留め方など、スタイリングを売っているのが『ドゥーズィエム クラス』だからこそ、接客は各店で引き続き大切にしていく」。販売員によるインスタグラム発信もそうした考えの延長だ。

 ECで行っている先行予約を青山店でも行うことも新しい取り組み。青山店にサンプルを置き、実際に手に取りながら予約ができるようにする。ただし、ECでは毎月20~30型の予約を行っているが、青山店に並べるサンプルは数を絞る。「そのとき店頭にある商品と親和性があり、『これが入荷するなら今はこれを買っておこう』といったきっかけになるようなアイテムを置く」。そうすることでブランドとして発信するイメージは保ったまま、客の買い物のしやすさにもつなげる狙い。青山店の移転オープン時は、6型前後のサンプルを置いて予約を取るという。

RFID導入でレジ待ち時間削減へ

 今春リニューアルした3店から、RFID(電子タグ)の読み取り機を導入し、レジ接客の待ち時間や棚卸しなどの作業の効率化も図っていく。「これまで、特に新宿店はハウスカードのキャンペーン期間などにレジが1時間待ちということもあった。感染予防の観点でも、待ち時間を減らす」。既にタグ自体は導入済みだという。

 コロナ禍以降、商業施設全体の客数が減っていることはもちろん「ドゥーズィエム クラス」にも影響を及ぼしている。ただし「(発注コントロールや)セールの割引幅を従来より小さくするなどによって、利益は変わらず取れている」という。ただし、客の買い方には変化がある。「本当に必要なものかどうかを吟味して買うお客さまが増えている。だからこそ、買ってよかったと絶対に感じていただけるようなアイテムを改めてしっかり考え、MDを組んでいる」。
 

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