ふわふわとした柔らかな毛並み、しなやかな曲線、むっちりとしたボディー、クリッと大きな瞳、お日さまをたっぷり浴びたお布団のようなほっこり温かな香り——-この全てを兼ね備えた「猫」という魔物に魅了されて11年。そんな猫溺愛ライターがオススメの猫美容を紹介する。初回は猫的美人になれるボディーケアアイテムについて。
みんなみんな、狂ったように猫が好き
美容業界では「ああ、あの狂ったように猫が好きな人ね」という認知度がちょっとずつ広がり始めたようで、ここ最近は猫絡みの記事を書く仕事も増えてきたが、いにしえの人々やかつての偉人たちと比べれば、私の猫狂いレベルなど屁のようなものだ。
事実、古代エジプト時代の壁画には、首輪をつけた猫や餌の入ったボウルのようなものが描かれており、猫のミイラまでゴロゴロ発掘されている。また、江戸時代の浮世絵師・歌川国芳は猫専用の仏壇や位牌で亡くなった猫たちを弔っていたというし、サルバドール・ダリ(Salvador Dali)は愛猫と豪華クルージングを楽しんだり高級レストランに同席させたりするなど、愛猫シュペット(Choupette)にメイドを2人つけファーストクラスで共に旅をしていたカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)のようなことを当時からやっていたという。このように、猫狂いの偉人たちの変態的な猫エピソードは枚挙にいとまがない。
人類はオオカミを犬に、イノシシを豚にとあらゆる動物を家畜化してきた歴史があるが、猫は人類と出会った約1万年前から見た目も習性もほぼ変わっていない、非常にまれな生き物だという。猫はハンターである本能を買われ、食用としてではなく“ネズミ捕り担当”という使命を与えられていたが故に、野生の本能がそのまま残されているのだそうだ。つまり猫は、この世に生まれ落ち、人類と出会い今に至るまで、本能丸ごと受け入れられ、愛されてきたということ。ナチュラルに存在するだけで尊い。そんな幸せで最強な生き物、ほかにいるだろうか。自分は自分のままで、いにしえの人も現代人も翻弄する猫。その魅力は、もはや末恐ろしくもある。
猫は五感を揺さぶる美の爆弾
猫の魅力は何か。そんなことをいちいち考えることがやぼに思えるほど、猫のかわいさに理屈はないが、ビューティ的視点で強引に考えてみるとするなら、人間は猫を構成する全ての要素に、「美」を感じているのではないだろうか。ルックスよし、香り良し、触り心地良し、鳴き声良しと、猫は五感を揺さぶる美の塊、美の爆弾なのだ。
猫にはなれないが、猫のように五感に訴えかける美を意識するのは素敵。例えば、思わず触れたくなるあのムチムチ感に近づきたいなら、昨年リニューアルした「メルヴィータ(MELVITA)」の“ロルロゼ アクティベート ボディオイル”を。引き締め成分のブラックペッパーが従来品の1.5倍も配合されているから、パワフルな引き締め+保湿がかなって今すぐ猫ボディーを目指したい人にオススメ。肌見せシーズンにもピッタリだ。
ふわふわな毛並みの優しいムードをまといたいなら、やっぱりボディーパウダー。「ハウスオブローゼ(HOUSE OF ROSE)」の“アクアファヴール マリンハーブスパ ボディパウダー”は、ブルターニュ近海の海水や5種類のマリンハーブをベースにした美容成分が肌をしっとり滑らかに整えつつ、透明感のあるさらすべの肌に。水のような透き通る香りにも、シュペットのような毛足長めのふわふわパフにもうっとり♡
仕上げは、朝露にぬれるホワイトフラワーをイメージした「ミュウミュウ(MIU MIU)」“レ ゾー アラモード ヘッドインザクラウズ”を。みずみずしいルバーブやモダンでロマンチックなピオニーに、ホワイトアンバーが優しく重なるドリーミーな香りは、猫のような気まぐれさやホワンとした柔らかさに包まれ、一瞬にして猫気分に。香りは全部で4種類から選ぶことができ、「ミュウミュウ」のアイコニック柄がプリントされたケースもトップとボトムを各4パターンから選び自由にカスタムできるが、ここはやっぱり猫柄で。
マスク生活で五感が鈍っている今こそ、猫美容の始めどき。香りで、触れ心地で、そして質感で引き寄せる、そんな魅力を鍛えたい!