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「エネルギーはファッションだ」ソーラーシェアリングが生む「お金」と「人」の良い循環

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 「ソーラーシェアリング」という言葉を知っているだろうか?ソーラーパネルの下で農業を行うことを指す。パタゴニア日本支社が2019年にその取り組みを発表し、今や同ブランドの渋谷店の年間電力使用量を賄っているというから驚きだ。供給元となる市民エネルギーちばの東光弘代表取締役は、その先駆的存在として知られている。「ソーラーシェアリング」の基本から、ファッション企業と取り組むことで期待する未来まで、話を聞いた。

WWD:そもそも、ソーラーシェアリングとは何ですか?

東光弘代表取締役(以下、東):空中にソーラーパネルを設置し、その下で農業を行う太陽光発電の施行方法のことで、シェアリングという言葉の通り、太陽から降り注ぐ光を発電パネルと植物とでシェアしていきましょうというシステムです。ソーラーシェアリング自体は、20年以上前にドイツで概念図として発表されているようですが、国内においては長島彬さんが2003年に考案し、2010年に千葉県市原市に試験場を作って今に至ります。弊社では、「細形パネル&遮光率35%」という環境負荷が少ない長島式を基本として取り組んでいます。

WWD:従来の太陽光発電とは何が違うのでしょうか?

東:従来型の野立てメガソーラーの太陽光発電システムでは山肌を削り森林を伐採することが多く、そこに除草剤を撒き、コンクリートで土台を作るんです。そうなるとそこに存在していた生態系が壊れてしまい、災害も増えてしまう。所有者が不在となるその地域は災害対応も難しくなるでしょう。また、多くは外部資本が入り作られるため、売電収入はその地域ではなく都市部へと流出してしまい、さまざまな点で循環性がありません。一方、ソーラーシェアリングでは継続的にCO2を削減することが見込めるだけではなく、耕作放棄地を利用して有機農法を行っているので土地自体が再生されます。地元資本の農地と共存する事業ですから、利益は地元へと還元され、そこでできた農作物をきっかけに人が集まりお金の流れが生まれます。その土地に血が通い、循環が生まれるという点で、はるかにエコロジカルな方法なのです。

WWD:発電というよりも地域創生に近い印象ですね。

東:農業経営、発電経営を単体で捉えるのではなく、農村経営という考え方でその地域の仕組みをデザインすることが重要で、実はそれが一番の目的です。会社としてはソーラーシェアリングの開発・設営を全国で行っていますが、千葉県匝瑳市では合弁会社をつくりメガソーラーシェアリング第一発電所を運営しています。ここでは、シェアとオーガニックをテーマに、発電事業と農業生産法人が連携することで、地元にお金が還元することが可能になっています。売電収入の一部を村の協議会へ寄付することで教育や福祉にも貢献することができる。将来的にはこの村に住む人は電気とEVカーは定額制で使えるようにしたいと考えています。

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