アダストリアの2021年3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比16.3%増の926億円、営業損益が6億円の黒字(前年同期は44億円の赤字)、純損益が4億円の黒字(同24億円の赤字)だった。6〜8月の緊急事態宣言や天候不順が大きく響き、期初の計画には届かなかった。
3〜8月期の振り返りとして、「(SC内を中心に)全国に出店することで成長してきた結果、現在国内には約1300店がある。しかし、(SCはコロナ拡大で強制的に休業となることも多いため、ロードサイドなどの)独立立地などへの出店や、ECの拡大など多様性を持たなければならない。今まさにさまざまな検討を進めている」と、9月30日に行われたリモート決算会見で福田三千男代表取締役会長は話した。同業他社では、まさにロードサイドの独立立地を中心とするしまむらが同じ3〜8月期で過去最高業績を叩き出している。同じく好調な「無印良品」も、ロードサイドを含む食品スーパー横への出店を成長戦略として掲げている。
コロナ対応の3カ年計画として、2年目である22年2月期は出店や移転増床、新規ブランド育成などに積極的に投資し、3年目に売上高も回復させる青写真を描いている。しかし、SC以外の出店立地や、SCでもどのデベロッパーと組むべきかなどの検証を重ねているため、出店ペースは計画を下回っている。3カ年計画も「大きく変わる」見込みだ。
3〜8月期は計画未達だったが、特に苦しかった6〜8月期間でも営業赤字は免れたことには一定の手応えを感じている。「(ワクチンの効果もあり)米国の市況は5月以降、かなり上向いてきている。同様に日本も、下期(9月〜22年2月)は回復してくる」(木村治社長)という期待もある。それにより、22年2月期連結業績予想は据え置いた。