毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年10月4日号からの抜粋に加筆をしています)
向:今回の特集はこれからサステナビリティにシフトしていきたい企業に向けて、具体的な方法論を提示したいと考えました。読者にとっても参考になるフェーズの企業が見つけやすいだろうと思いました。
木村:先行企業が実践していたのが、商品の環境負荷を原材料の段階から完成まで測ろうとすることでしたね。そこから、モノ作りの過程での課題と取り組めそうなことが見えてきていました。1社では解決できない問題ばかりでしたし、「実は私たちも困っていました」という声もあちこちから聞こえてきそう。皆でシェアしていくことが大事で、そのきっかけになれればいいなと思いました。
向:取材では何が印象的でした?
木村:ロンハーマン(RON HERMAN)の経営陣が企業を成長させるうえでの再定義をディスカッションしたというのが素晴らしいと思いました。経営陣が今までと同じく売り上げで成長を測っていたら、サステナビリティはなかなか進みません。まずは話し合うことが大事で、それは誰でもできることだなと思いました。
向:そうだね。極端な話、産業革命以降なかった概念を経営にズッポリ埋め込まなくてはならない。志のある人が経営者を動かしていくことも大事で、エネルギーが必要だね。
木村:デイトナ・インターナショナルが同業他社に話を聞きに行ったというのも、良いなと思いました。協力し合うことで、できることも増えます。横のつながりができ始めているので、そこにうまく乗った方がいいと思いました。ファーストリテイリングが業界のリーダーとしての立場を意識しているのも、心強いと思いました。
向:ファーストリテイリングはサステナビリティ担当が日本だけで約40人、全世界で約100人。そのくらいの人数がいないと最先端の情報収集や実践が難しいということ。そういう先進企業の力はどんどん借りたらいいと私も思います。つながりができると、楽しいよね。
木村:はい。単独では難しいことも、諦めないことが大事ですね。横のつながりを作るとか、手を挙げるといったことが重要なんだと思いました。今度はぜひ横つながり事例が出せたらと思います!