ビューティ

LVMHがパリ発ビューティブランド「ビュリー」を買収

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON 以下、LVMH)はパリ発のビューティブランド「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY)以下、ビュリー」を買収した。取引額は非公表。

 LVMHは過去4年、自社の投資ファンド、LVMHラグジュアリー・ベンチャーズ(LVMH LUXURY VENTURES)を通して「ビュリー」に投資してきた。LVMHラグジュアリー・ベンチャーズの投資先のブランドを買収するのは初めて。

 「ビュリー」のヴィクトワール・ド・タイヤック(Victoire de Taillac)は引き続きプロダクトストラテジー、イメージ&コミュニケーションディレクターを務める一方で、夫で最高経営責任者(CEO)兼アーティスティック・ディレクターのラムダン・トゥアミ(Ramdane Touhami)はCEO職を退く。

 タイヤック=ディレクターは「『ビュリーは世界に28店舗、オーストラリアだけで10のカウンターを構え、好調にビジネスを拡大してきた。しかしコロナで大打撃を受け、今後の成長を支えるにも、パートナー必要だった。LVMHは最適なパートナーだ」と語る。

 1803年にパリで創業した「ビュリー」は、自然素材を使った化粧品による美容法をヨーロッパに広めた“総合美容薬局”をルーツに持つ。2014年にリローンチし、16年には台湾と韓国、17年には東京に店舗をオープン。現在日本は2番目に大きなマーケットで、年内にさらに3店舗をオープンする予定だ。ミラノやミュンヘンなどヨーロッパの店舗網も広げており、年内には23店舗追加する。

 同ブランドはオーストラリア産のエミューのオイルやモロッコ産ポピーのパウダー、水ベースのフレグランスなどユニークな製品を多く取り扱う。800SKUあるうち、売り上げの30〜40%は水ベースのフレグランスが占め、そのほか香りつきのボディーオイルやハンドクリーム、リップバームなどが人気だ。また昔からパラベンやフェノキシエタノール、シリコーンを配合しないことにこだわり、18世紀のレトロなパッケージや店舗デザインとして知られている。パーソナライズサービスも人気で、製品への刻印や包装サービスも充実している。

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