メルカリは集荷物流事業に本格参入する。28日付で全額出資の子会社メルロジ(東京、野辺一也CEO)を設立した。昨年から導入した無人投函ボックス「メルカリポスト」の大幅な増設などによって、自社集荷のタッチポイントと物流網を広げる。ヤマト運輸や日本郵便などのパートナーとの連携によって、トラックや倉庫などを持たない手法をとる。月2000万人が利用するフリマアプリ「メルカリ」の圧倒的なデータの蓄積を活用し、集荷効率の最大化を図る。
「メルカリ」による中古品の個人売買は急増しており、同社によると、日本の年間宅配便取扱個数50億個のうち5〜10%を占めるまでになっているという。コンビニ発送では約80%が「メルカリ」の出品物になった。コンビニや郵便局における発送・集荷時のオペレーションへの負荷が増しており、打開策が求められていた。
メルカリでは昨年からコンビニなどの小売店の店頭にメルカリポストの設置を開始。現在、全国に1000カ所に広がった。また全国11カ所に専任スタッフを配したリアル店舗「メルカリステーション」を置き、集荷・仕分けを行ってきた。
今回の物流子会社の設置でこれらの拠点づくりを加速する。メルカリポストは24年までに8000カ所へと拡大する。メリカリステーションも小売店などに併設する形で増やす。利用者の発送エリア、荷物の中身、サイズなど膨大なデータを分析し、適切な場所と受け入れ態勢をアップデートしていく。
集荷物流網を通じて、売れた商品を持ち込むだけで発送が完了する梱包レス発送、発送前の商品のクリーニングやリペアといった付加価値のサービスにも取り組んでいく。