三越伊勢丹ホールディングスの2021年4〜9月期連結業績は、総額売上高が前年同期比18.9%増の3989億円、営業損益が77億円の赤字(前年同期は178億円の赤字)、純損益が81億円の赤字(同367億円の赤字)だった。2度の緊急事態宣言の影響を受け、総額売上高はコロナ前の一昨年との比較では3割減の水準にとどまった。経費の見直しもあって赤字幅は縮小した。
百貨店事業では年間100万円以上購入するカード顧客の売り上げが全体をけん引した。富裕層の消費意欲は商品別売上高にも反映されている。三越伊勢丹(単体)では、衣料品が前年同期比27.3%増の606億円だったのに対し、美術・宝飾・貴金属は同68.6%増の284億円だった。4月から6月にかけての緊急事態宣言中、美術・宝飾・貴金属に対して東京都から“豪奢品”の販売自粛要請が出たため、売り場の休業など制限がかかっていた。にもかかわらず、株高を背景にした富裕層の購買やブライダル需要の反動によって、最も回復が早かった。
通期(22年3月期)は、総額売上高9450億円、営業利益30億円、純利益30億円を見込む。