「ヴェトモン(VETEMENTS)」の新クリエイティブ・ディレクターに、グラム・ヴァザリア(Guram Gvasalia)=ヴェトモン共同創業者兼最高経営責任者(CEO)が就任した。前任者で実兄のデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)「バレンシアガ(BALENCIAGA)」アーティスティック・ディレクターが2019年に退任して以来、空いていた役職を担う。今後もブランドのCEOは兼任するのかどうかについてのコメントは差し控えるとしている。
グラムはこれまでCEOとしてブランドを支えてきたほか、映画「スターウォーズ(STAR WARS)」とのコラボレーションの立役者であり、期間限定のハンバーガービジネスにも着手してフード領域まで事業を拡大。新ブランド「VTMNTS」の立ち上げにも貢献している。コレクション発表の際には広報担当として、記者やリテーラーとの関係構築にも携わってきた。なお、11月に発表された「ヴェトモン」22-23年秋冬コレクションはグラムが手掛けたという。
就任に際してのコメントでは、引き続きブランドを守っていきたいと述べた。「今回、就任を発表したのは注目を集めたいという目的からではない。私は自分のことを語るタイプではないが、公にすることで、ファッションは大好きだけど両親に反対されるのを恐れて口に出せない子どもたちを勇気づけたいと考えた」と語った。
また内戦中のジョージアで育ち、ドイツに家族で避難した過去を持つ自身の子ども時代を振り返り、「『ヴェトモン』は当初から、クリエイティビティーを土台にしてきた。親が裕福でなくても、投資家がいなくても、大企業に魂を売らなくても成功できるということを若者たちに伝えたい。人生は、自分のクリエイティビティーと情熱でいくらでも変えられる」とエールを送った。
「ヴェトモン」は14年創業。21年7月に新ブランド「VTMNTS」を発表した。