濃密な接客、独自の品揃え、
こだわりとコミュニティー、SNSで進化中
アフターコロナでは消費者のリアル店舗回帰が鮮明で、昨年は各店や各ブランドでオフラインの伸び率がオンラインのそれを上回ったり、オンラインが前年を割る一方でオフラインが急成長したりの事例が相次いだ。そんなリアル店舗回帰の恩恵を受けたり、そもそも、その原動力になっていたりの業態が今週号の特集テーマ、全国各地の名物セレクトショップだ。
全国津々浦々のセレクトショップを取り巻く環境は、決して優しいものではない。有力ブランドは卸を縮小する傾向にあるし、ECの構築からSNSでの発信までDXには人手が必要。最近の円安は仕入れ・販売価格の高騰に直結するのみならず、バイヤーらの海外出張において高いハードルになっている。
しかし、システマチックになっていく全国規模の大手とは一線を画する、顧客やブランドとの本音のコミュニケーション、携わる人たちの"こだわり"とニッチのニーズがシンクロした品ぞろえと空間、結果生まれる独特のコミュニティー、そして注力し始めたSNSなどでの発信により、各地の名物セレクトは"デスティネーション"化。地元の若い世代から、出張や旅行ついでの日本人、その視野を地方にも広げる外国人観光客の目に留まり、集客につなげている。
今回取り上げたのは、北海道から九州まで、新旧さまざま、そして小さな店舗からチェーンストアまでさまざまなセレクトショップ。それぞれの人気の源泉をオーナーや社長のインタビューから解き明かす。(この特集は「WWDJAPAN」2024年2月12日号からの抜粋です)