ファッション

2021年のデザイナー去就まとめ 「ボッテガ・ヴェネタ」や「ケンゾー」から「ヴェトモン」「アライア」まで

 ブランドのクリエイション全般を率いるクリエイティブ・ディレクターの任期が年々短くなり、組織再編や方向性の見直しを図るブランドが増える中、2021年も数多くの就任や退任が発表された。もっとも業界を驚かせたのは、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」をトレンドセッターに押し上げたダニエル・リー(Daniel Lee)の退任だろう。後任には、「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「セリーヌ(CELINE)」「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」でキャリアを積んだ後、20年に同ブランドに加わったマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)が内部昇格。22年2月にデビューコレクションを披露する予定だ。「ケンゾー(KENZO)」も2年間務めたフェリペ・オリヴェイラ・バティスタ(Felipe Oliveria Baptista)から、日本のストリートカルチャーを代表する存在の一人であるNIGO®に交代。初のコレクションは、22年1月のパリ・メンズ・ファッション・ウイーク中に発表される。

 さらに、創業者が亡くなった後、デザインチームでコレクションを手がけてきた「アライア(ALAIA)」には、ラフ・シモンズの右腕として知られるピーター・ミュリエ(Pieter Mulier)が就任。「ヴェトモン(VETEMENTS)」でも、19年にブランドを去ったヘッドデザイナーのデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)の弟であり、ブランドの最高経営責任者でもあるグラム・ヴァザリア(Guram Gvasalia)がクリエイティブ・ディレクターに就いた。

 また、若い世代の顧客開拓を目指すイタリアの老舗ブランドでも新たな動きが活発だ。「ミッソーニ(MISSONI)」では、アンジェラ・ミッソーニ(Angela Missoni)が退任し、これまで兼務していた社長業に専念。暫定的なクリエイティブ・ディレクターとして、彼女の右腕を12年間務めてきたアルベルト・カリーリ(Arberto Caliri)にバトンをパスした。この数年、社内のデザインチームをベースにゲストデザイナーやアーティストを迎えていた「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」や「トラサルディ(TRUSSARDI)」にも、それぞれクリエイティブのトップが就任し、新たなスタートを切る。

 2021年に発表された主な去就は以下の通り。

アーカー(AHKAH)
就任:ケイティ・ヒリヤー(Katie Hillier)

アタッチメント(ATTACHMENT)
退任:熊谷和幸=創業デザイナー
就任:榎本光希「ヴェイン(VEIN)」デザイナー

アライア
就任:ピーター・ミュリエ前「カルバン・クライン」グローバル・クリエイティブ・ディレクター

イザベル マラン(ISABEL MARANT)
就任:キム・ベッカー(Kim Bekker)
(創業デザイナーのイザベル・マランと共に監修)

ヴェトモン
就任:グラム・ヴァザリア=ヴェトモン最高経営責任者

ヴュアルネ(VUARNET)
就任:ボラミー・ビジュアー(Boramy Viguier)「ボラミー ビジュアー」デザイナー

エミリオ・プッチ
就任:カミーユ・ミチェリ(Camille Miceli)元「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」アクセサリー部門クリエイティブ・ディレクター

ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)
退任:ニコラ・グラス(Nicola Glass)

ケンゾー
退任:フェリペ・オリヴェイラ・バティスタ(Felipe Oliveria Baptista)
就任:NIGO®「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」創業者

サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)
退任:ポール・アンドリュー(Paul Andrew)

シャン シア(Shang Xia)(ファッション部門)
就任:ヤン・リー(Yang Li)

トラサルディ
就任:セルハト・イシク(Serhat Isık)&ベンジャミン・A・フゼビー(Benjamin A. Huseby)「ゲーエムベーハー(GMBH)」デザイナー

フェニックス(PHENIX)
就任:ニコラ・フォルミケッティ(Nicola Formichetti)

ベルルッティ(BERLUTI)
退任:クリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)

ボッテガ・ヴェネタ
退任:ダニエル・リー
就任:マチュー・ブレイジー(内部昇格)

ミッソーニ
退任:アンジェラ・ミッソーニ
就任:アルベルト・カリーリ(内部昇格)

メゾン ウレンス(MAISON ULLENS)
就任(クリエイティブ・コンサルタント):ハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)

モンブラン(MONTBLANC)
退任:ザイム・カマル(Zaim Kamal)
就任:マルコ・トマセッタ(Marco Tomasetta)

レオナール(LEONARD)
就任:ゲオルク・ラックス(Georg Lux)

ロシャス(ROCHAS)
就任:シャルル・ドゥ・ヴィルモラン(Charles de Vilmorin)「シャルル ドゥ ヴィルモラン」デザイナー

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