マッシュスタイルラボの「セルフォード(CELFORD)」は、「ハナエモリ(HANAE MORI)」(MNインターファッション)との協業コレクション(アパレル9型、バッグ、ハンカチそれぞれ1型)を2月23日に発売する。三越銀座店、阪急うめだ本店で開催するポップアップストア(2月23日〜3月1日)でコラボ商品を先行販売する。
企画にあたり、過去に「ハナエモリ」がランウエイなどで発表してきた2000着以上のオートクチュールのコレクションの仕様を研究。蝶ネクタイ付きプリーツワンピース(2万9700円)、フリルショルダーのブラウス(1万9800円)、“HANAE MORI”のロゴ入りレース素材のTシャツ(1万3200円)などは「ハナエモリ」のアーカイブ作品をデザインのヒントに、「セルフォード」ならではの着回しのしやすさや着心地のよさ、機能性を付加した。ほとんどの商品にリサイクルポリエステルやリサイクルコットンなどのサステナブル素材を使用している。
「(『ハナエモリ』のアーカイブは)どう着想して、どう作ったのかと不思議に思うほど、制作工程が複雑なディテールがたくさん。服を研究するほど、畏敬の念が湧いてきた」と山根和セルフォードチーフデザイナー。「どれもが古くさくなく、自分たちが今見ても『かわいい』『すてき』と感じられる服ばかりだった。研究を進めるうち、それが必然だと気付かされた。見えない部分に細かく針を通して立体感を出すというような、クチュールならではのこだわりが、時代を超えても廃れないデザインを生み出していると知った」と振り返る。「(コラボ商品の企画では)これらを手に取りやすい価格を前提に、しかもブランドらしいデザインとの落としどころを見つけなくてはならなかった。途方もなく大変な作業だったが、とても刺激的な時間でもあった」。
「世代を超えて愛される」ブランドへ
成長と進化のための協業
「セルフォード」は「これまでもコラボレーションを持ち掛けられることはあった」が、70年以上の歴史を持つオートクチュールブランドへ、初めての協業相手としてのラブコールを送った。
現在、百貨店やファッションビルに28店舗(22年1月現在)を構える。ブランドが成長する過程で、親子2世代だけでなく、3世代で買いに来ることも増えたという。「単なる『オケージョンに強いブランド』ではなく、世代と時代を超えて愛されるブランドにしていきたいという思いが強くなってきた」と山根チーフデザイナーは語る。「ハナエモリ」とのコラボは「箔がつくということは、もちろんある」としながら、「このコラボで学んだことを、進化の糧にしたい」と前を向く。