セブン&アイ・ホールディングス(HD)が、傘下のそごう・西武を売却する方向で最終調整に入ったと、31日夜に日経新聞電子版が報じた。セブン&アイHD広報は本紙の取材に対し、「(21年)7月に発表した中期経営計画に基づき、あらゆる可能性を排除せず検討していることは事実」と話すにとどめた。
セブン&アイHDはそごう・西武を2005年に買収、06年に完全子会社化したものの、長年の業績不振からの立て直しに道筋をつけられずにいた。19年から2年間は、地方店を中心に不採算店5店を閉店、約1300人の人員整理を行う大胆な構造改革を実施。だが新型コロナの厳しい市場環境もあり、直近の2021年3〜8月期も49億円の営業赤字と振るわなかった。
このことから近年セブン&アイグループは、米バリューアクトキャピタルなど同社の株式を保有する複数の海外投資家から百貨店事業の売却を求められていた。