ファッション

アダストリア子会社の好調エレメントルール 初のメンズブランド「ヒューベント」を立ち上げ

 アダストリアの子会社で、「カオス(CHAOS)」「カレンソロジー(CURENSOLOGY)」などのウィメンズブランドを運営するエレメントルールが、初のメンズブランド「ヒューベント(HUM VENT)」を立ち上げた。ディレクションは、櫛部美佐子「カオス」ディレクター兼デザイナーが手がける。自社ECサイトで7月から予約販売すると共に、セレクトショップなどへの卸やポップアップショップで認知拡大を目指す。

 SCに出店するカジュアルブランドを主力とするアダストリアの中で、エレメントルールはファッション好きに向けてより高価格帯の商品を品ぞろえしている。ECの予約販売やライブ配信などのデジタル施策と、店頭での顧客接客力の掛け合わせで売り上げを伸ばしており、2022年2月期の「カオス」売り上げは前期比92%増、「カレンソロジー」は同41%増(どちらもアダストリア決算会見から)だったという。

 満を持して立ち上げるメンズの「ヒューベント」は40〜50代男性が主対象。コートで10万円超えと、価格帯は「カオス」「カレンソロジー」よりもさらに上だ。「エレメントルールとしてメンズブランドをやる以上は、アダストリアの既存ブランドにはない価値を提供したい」と坂本貴之ヒューベント事業部長。まずは自社ECが主販路になるが、アダストリアのブランド横断型モール「ドットエスティ(.ST)」の中には組み込まず、「ヒューベント」単独でECを立ち上げる。7月に予約を開始し、本格販売は8月から。

 櫛部ディレクターはもともと古着好きといい、古着のワークウエアや軍モノから着想を得たデザインを、上質な素材で仕立てている。例えばPコート(12万円)には、カシミヤ混ウールのメルトンにはっ水加工をかけた生地を使用。梳毛ウールのダブルフェース生地は、張りのある素材感を生かして袖がカーブした量感シルエットを描くコートに仕立てた。厚みのあるスエットには高級綿として知られるシーアイランドコットンを使用。これらの生地は全てオリジナル。ダッフルコート(18万円)に使った英の老舗生地メーカー「ジョシュア エリス(JOSHUA ELLIS)」の生地以外は、「ほぼ作り込んでいる」という。

 バリエーション豊富なニットも注目アイテムだ。カシミヤ・セーブルのニットガウン(20万円)やカシミヤ100%のあぜ編みセーターなど、大人のリラックススタイルにマッチする上質なアイテムをそろえた。「男性のファッションというと、どうしても“うんちく”が重視されがち。“うんちく”ではなく、触った時の質感や、羽織った時のシルエットの美しさなど、もっと感覚的な部分でファッションを楽しんでほしい」と櫛部ディレクター。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。