ファッション

「グッチ」が「ロブロックス」に常設空間「グッチ タウン」を開設

 「グッチ(GUCCI)」はゲームプラットフォーム「ロブロックス(ROBLOX)」内に常設空間「グッチ タウン(GUCCI Town)」をオープンした。

 「ロブロックス」に常設空間を設置するブランドは「グッチ」が初めて。ニコラ・ウディノ(Nicolas Oudinot)=グッチ ニュービジネス・エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼「ヴォールト(VAULT)」最高経営責任者(CEO)は、「我々は以前から『ロブロックス』上での取り組みを試験的に行なってきた。フィレンツェで催された『グッチ』の世界に没入型の体験ができる『グッチ ガーデン(GUCCI Garden)』のバーチャル版を『ロブロックス』に2021年5月に2週間限定でオープンして2000万もの来場者を記録したほか、『ウェビー賞(The Webby Award)』を受賞した。成功裏に終わったのは、気鋭のクリエイターとのパートナーシップのほか、『グッチ』のアイテムがバーチャル空間でも価値あるものとして受け入れられ、『ロブロックス』上でブランドのコミュニティー意識を育てることができたからだろう。『グッチ タウン』も自己表現をしたい人々が集まり、ブランドと独自のコミュニケーションを築くことができる場所だ」と語る。

 「グッチ タウン」では、定期的にアップデートされるさまざまなアクティビティーを用意している。「ミニゲーム ハイツ(Mini Game Heights)」には、“タイルテイクオーバー”や“フラッシュライトタグ”など、ブランドにインスパイアされたゲームが行われるアリーナに移動するポータルが設置されている。「クリエイティブコーナー」には、ゲストアーティストの作品が展示されており、ユーザーはそれにインスパイアされた自分の作品を作ることができる。

 「ヴォールト プラザ」には、オンラインのコンセプトストア「ヴォールト」で始まった企画や話題にインスパイアされた展示スペースを用意し、「グッチ」の新作やコラボレーションアイテムを展示する。“ブロンディ(Blondie)”バッグや限定コレクターズアイテムなど、「グッチ」のバーチャルアイテムを購入し、コレクションしたりアバターに着せたりすることもできる。バーチャルのファッションアイテムは、“レイヤード クロージング”という「ロブロックス」でリリースされたばかりの機能を活用し、どんなアバターの体型にもフィットするようになっている。“レイヤード クロージング”はリアルのような服のフィット感やドレープを忠実に再現し、アバターの身体の部位や動き、バーチャルの世界の無限の組み合わせに瞬時に対応。服を重ね着することもできるという。

 コミュニティーメンバーの憩いの場としてカフェ、「パワーアップ プレイス(Power-up Place)」も用意する。「グッチ タウン」内のアクティビティーに参加すると、パワーアップ(プレイヤーのライフ回復や装備強化、スコアアップさせるオブジェクト)やバーチャルアイテムの購入に使用できる通貨“GGジェム”がもらえる。「グッチ タウン」の各スペースのコンテンツは定期的にアップデートしていくという。

 グッチのウディノ「ヴォールト」CEOにブランドにとってのメタバースの魅力を聞くと「ファッションは個人が自分自身を表現し、そのアイデンティティを反映するものだ。デジタル環境では、リアルの世界の制限を超越してユーザーが嗜好や野心、見た目を表現しペルソナを作ることができる。そのために美的価値が不可欠であり、そう思う人がいる限りチャンスは無限にあるだろう」と説明。「グッチ タウン」は、同ブランドにとって5度目の「ロブロックス」上のプロジェクトになる。「ロブロックス」のデザイナーのルーク・ヴァンガード(Rook Vanguard)とCサファイア(cSapphire)にバーチャルアイテムの制作依頼をしたことから始まり、その後21年に「グッチ ガーデン」をオープン、22年にはイタリア人ラッパーのアシール・ラウロ(Achille Lauro)とコラボして体験型イベントを開催した。また、英国ファッション協議会(British Fashion Council)とコラボレーションし、バーチャル版の「ザ ファッション アワード(The Fashion Awards)」が「ロブロックス」で開催された際にはバーチャルのアイテムを提供した。

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