伊藤忠商事が日本のスポーツ市場で、「アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)」「リーボック(REEBOK)」と相次いで有力なスポーツブランドを獲得した。外資の有力ブランドの獲得で、婦人服や紳士服などの一般アパレルが伸び悩む中で、成長を続けるスポーツ・アウトドア市場の取り込みのため布石を打った形だ。これまでのデサントを軸に、アクティブスポーツウエアを押さえる戦略は大きく変わることになる。(この記事はWWDジャパン2022年7月25日号からの抜粋です)
伊藤忠がスポーツ分野を強化する背景には、婦人服や紳士服などの一般衣料が低迷する一方で、スポーツ・アウトドア市場は拡大基調にあることが挙げられる。矢野経済研究所によると、2021年のスポーツ用品市場は前年比10.7%増の1兆5504億円と2ケタ増、22年も成長を続け、1兆6226億円の見通しだ。
これまで伊藤忠のスポーツ戦略は、19年3月に出資比率を40%に引き上げたデサントが軸になっていた。デサントは世界的に高い知名度を誇るスキー分野を筆頭に、韓国で高い人気を誇るゴルフウエアの「ルコックスポルティフ」などを擁し、この数年は中国市場にも力を入れるなど、海外でも強い。スキーや野球などの競技スポーツをデサントで押さえる一方、「コンバース」や「フィラ」のライセンスでカジュアル分野を展開してきた。本格的なスポーツ・アウトドア分野はあくまでデサントだった。
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