秋の装いに、“クラシック”をひとひねりした提案が相次いでいます。その一つが、1枚でレディーライクなムードや華やぎをまとえるボウタイブラウス。本来の“きちんと感”を生かしつつ、動きや意外性を添えた着こなしが魅力的なスタイリングにつながります。
例えば「セルフォード(CELFORD)」は、オーガンジーのボウタイブラウスを提案。全体にドットフロッキーを散らして、リッチなたたずまいに仕上げています。あえてシンプルな白パンツで合わせたところが今季らしいアレンジです。今回は、ボウタイブラウスの最旬な着こなしを、人気のリアルクローズブランドからチョイスしました。
顔まわりにフリルを添えてレディーライクに
女優兼モデルの泉里香さんが着用したのは、「スナイデル(SNIDEL)」のブルーカラーのボウタイブラウス。襟周りにフリルも施され、華やかさと品格をダブルで印象付けています。
首から胸にかけた目立つ位置にフリルとボウタイをあしらったおかげで、クチュール感も備わりました。上半身にデコラティブな立体感が生まれ、ウエストから下がシャープに見える仕掛け。トレンドのクロップド丈のジャケットを羽織って、さらにウエスト位置を高めにアピール。ハイウエストのミニスカートにはローウエストの細ベルトを巻いて、レディーライクな現代版のミニルックに仕上がっています。
巨大ボウタイはムードをずらしてこなれ感を演出
女優の倉科カナさんが着用した「フレイ アイディー(FRAY I.D)」は、ボリュームたっぷりの立体的なボウタイがドラマチック。ビッグボウが、上半身をコンパクトに見せてくれるだけでなく、小顔効果も発揮。誇張した結び目を装いの主役に添え、ハイウエストのタイトスカートと合わせて縦長のイメージを引き出しました。ジレをストール感覚で羽織り、こなれたレイヤードに整えています。
2枚目の写真は、色違いのボウタイブラウス。いろいろな結び方や垂らし方を試せる特大のボウタイは張り感があるので、片リボン結びでも存在感を発揮します。トレンドのツイードアウターと合わせて、クラシックなムードをプラス。ボトムスはボウタイ特有のエレガントさを生かして、相反するムードのビンテージ風ジーンズでコントラストを効かせているのが見せどころです。
同系色でまとめて正統派レディーなムードに
「セルフォード(CELFORD)」は、上品なセットアップのキーアイテムにボウタイブラウスを起用。気品を宿したダスティーピンクの装いです。ボウタイブラウスとケープジャケット、スカートのカラートーンをそろえたコーディネートに仕上げて、エレガンスと優しさを同居させています。ボウタイとナロースカートを響き合わせた演出がポイントです。
2枚目の写真のボウタイブラウスは、ドット柄がキーモチーフ。細かいドット柄が施されたブラウスに引き合わせたのは、パールをちりばめたチュール素材のスカート。ドラマチックなフレアスカートのウエストにブラウスの裾をインして、立体感を生み出しました。コートをゆったり肩掛けし、往年の映画女優のようなムードもまとっています。
カジュアル寄りだった夏の装いから、秋以降はクラシックで淑女なムードにうつろっていきそう。ただし、単にオーソドックスを意識するのではなく、トレンドを踏まえてモダンにアップデートするスタイリングが肝心。ミニスカートやパンツ、ジーンズと合わせたり、トレンドカラーで統一したり、ドット柄を取り入れたりしてひねりを加えれば、鮮度がアップ。印象的なボウタイブラウスを1枚迎え入れるだけで、“レトロモダン”な秋トレンドの着こなしに導いてくれます。