「無印良品」を運営する良品計画が、衣料品改革に取り組んでいる。コロナ以降の不振から抜け出せない衣料品は、全体の業績の足を引っ張り、テコ入れは待ったなしの状況だ。「シンプルなデザイン」「天然素材」といった“ブランドイメージ”が広く浸透する「無印良品」はどう変わるのか。(この記事はWWDジャパン2022年10月17日号からの抜粋です)
東京・銀座の「無印良品」の旗艦店で、衣料品改革の一端を見ることができる。1階に10体、2階に36体のマネキンが集合し、秋冬のコーディネートの実例を紹介する。衣料品専門店であれば当たり前の光景だが、「無印良品」の店舗はシャツ、セーター、ジーンズといった単品を大量に積み上げたディスプレーが主流で、その付近に男女のマネキンを2体並べる程度だった。
「単品の積み上げは目的買いのお客さまにはよいが、『無印良品』に自分の服があると思ってない(未知の)お客さまを引き寄せることができない」。衣料品改革を指揮する取締役の岡崎令氏はそう述べる。
商品企画チームの3分の2を入れ替え
衣料品の再建は、良品計画にとって喫緊の課題だ。10月13日に発表された2022年8月期の営業利益は、2度の下方修正をへて前期比22.8%減の327億円で終わった。円安やコスト高、中国のロックダウンといった外部環境もあるが、売上高の3〜4割を占める衣料品が足を引っ張っている。国内事業の衣料品の既存店売上高は6.9%減。21年8月期も横ばいだった。不振の衣料品処分のため大規模な値引きを余儀なくされ、利益が目減りする。
事態を深刻に受け止め、昨年9月から衣料品改革に着手した。取り組みが商品や売り場、マーケティングなどの具体的な形になったのが今年の秋冬シーズンだ。
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