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【2023年春夏トレンド完全版】米「WWD」が注目する5つのキーワード

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 米国版「WWD」によるコレクションリポートの中から、注目のトレンドを厳選してピックアップ。日本と同様のトレンド傾向を見せる中、現地のバイヤーや米国版編集部ならではの分析にフォーカスし、5つのキーワードを紹介する。


【TREND1】
シアーファッション

 シアー素材を使ったファッションは、今季のトレンドを間違いなくけん引した。ラグジュアリーECサイトを運営するモーダ・オペランディのエイプリル・ヘニッグ=シニア・バイス・プレジデント兼チーフ・マーチャイダイジング・オフィサーは、「シアー素材を使ったレイヤードが生み出す“脱構築された高貴さ”のアイデアに引かれている。シアーを取り入れることで、コルセットやビスチェが現代的に仕上がった」とコメント。米百貨店バーグドルフ・グッドマンのリンダ・ファーゴ=ファッション部門シニア・バイス・プレジデントは、シースルーのレイヤードや下着を外側に着るトレンドを「ボディー・プライド(自分の体に対する自尊心)から生まれた着こなし」と解釈する。

 中でもシアーファッションをうまく表現したと評判になったのは「リック・オウエンス」。米「WWD」のマイルズ・ソーシャ=インターナショナル・エディターは、「高い露出度と長いトレーンが特徴のガウンや大きなチュールスカート、無数のゴデは、新しいスタイルでとても魅惑的だった」と評価。デザイナーのリック・オウエンスはバックステージで、「このコレクションは従来の価値観に対するプロテストだ。これは私が人生をささげてきたテーマでもある。古典的な“かわいらしさ”を拒否することで、現在の狭い選択肢を広げる提案をしていきたい」と語った。

 「コペルニ」のショーはモデルのベラ・ハディッドを起用した“スプレードレス”のパフォーマンスのおかげもあって、一躍話題をさらった。だがそれ以上に、同コレクションは力強いルックをそろえ、シアー素材を使ったルックなどのトレンドも押さえていた。米国版記者のジョエル・ディダーリッチはレビューの中で、「SF的要素は全て取り除かれ、ウエアラブルなアイテムが多くそろっていた」と言及する。コレクションにはシアー素材のワンピースやアシンメトリーのスカート、透け感のあるタートルネックに作業着風のワイドパンツを合わせたものなど、トレンドのお手本のようなルックが登場していた。

 シアートレンドの先駆けの1人である、自身の名を冠したブランドを持つラカン・スミスは今季、透け感や明るいカラーなどをふんだんに取り入れたプレイフルなコレクションを発表。デイリーウエアなども提案した。「今シーズンの目標は、商品カテゴリーを広げることだった。このブランドはイブニングウエアなどのセクシーなアイテムを求められることが多いが、日常使いできるアイテムを増やしつつ、ファンキーかつセクシーで、派手な要素を残すことに挑戦した」とバックステージで語った。ほかにも、同トレンドをけん引したブランドは、「プラダ」「ヴァレンティノ」「フェラガモ」「エスター マニャス」などだった。


【TREND 2】
グラマラスな機能服

 トレンドとして定着しつつあるY2Kスタイルの影響は今シーズンも色濃く見られ、その影響でグラマラスな要素を取り入れた機能的な作業着(ワークウエア)が復活した。サテンのジャンプスーツやシアーな作業パンツ、あらゆるアイテムに付けられたカーゴポケットにより、ワークウエアが正装として昇華された。

 英百貨店ハロッズのサイモン・ロングランド=メンズウエア&ウィメンズウエア責任者は、「エレガント、シック、かつ洗練された美学が今回のコレクション全体を支配していた。コレクション期間中はポジティブで、前向きな雰囲気が漂っていた」とコメント。特にカーゴパンツは、「ラカン スミス」「イザベル マラン」「ジバンシィ」などで取り入れられた。米百貨店ノードストロームのリッキー・デ・ソーレ=ウィメンズ・デザイナー・ファッション兼エディトリアル・ディレクターは、「今季はパンツが光ったシーズン。プリーツやワイド、ローウエスト、フレア、カーゴパンツなど、豊富なスタイルが提案された。ミラノでもパリでも、ポケットはあちこちに見られた」とトレンドを語る。

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