サザビーリーグ子会社のメゾン スペシャルが手掛ける「メゾン スペシャル(MAISON SPECIAL)」は、尖ったデザインのアイテムを豊富にそろえて、リアルクローズマーケットのトレンドセッターの1つになりつつあるブランド。2023年春夏のウィメンズでは、“フューチャーフェティッシュ”をテーマに、ローウエストボトムやカーゴパンツ、ビスチェといった旬の商品を多数企画している。海外のランウエイでは広がったものの、日本のマーケットではまだまだ抵抗感がありそうなアイテムが多いが、スタイリングの工夫によって取り入れやすく、リアルにこなしている点に注目だ。
「今季の注力商品として、特にデザインバリエーションを広げた」と渡邊倫子商品企画部クリエイティブディレクター、チーフデザイナーが話すのが、デニム素材のアイテム群。ドット柄をジャカードで表現したバギーパンツ(2万2000円)やラインストーンスタッズを多数打ち込んだパンクテイストのパンツ(2万6400円)、ビスチェなど、凝ったデザインをデニムでそろえている。
“ダブルウエスト”ディテールに注目!
面白いのが、ローウエストボトムを着こなすためのアンダーショーツ(税込1万3200円)もデニムで企画している点。ローウエストボトムは「ミュウミュウ(MIU MIU)」などを発信源にじわじわ広がっているが、いざ着こなそうとするとハードルは高い。そこで、ハイウエストのデニムショーツにローウエストボトムを重ねることで、肌の露出面積を減らす仕掛け。そのような“ダブルウエスト”ディテール自体にも注目しており、レイヤード風のデザインによって1着で“ダブルウエスト”気分を味わえるパンツも企画した。
“Y2K”トレンドに乗って、10数年ぶりにカムバックしているカーゴパンツも注力商品。デニム(2万4860円)はもちろん、スーツ調のストライプ地(2万5300円)、フューチャリスティックなコーティング生地などで企画するほか、カーゴ調デザインのスカートも作っている。合わせるトップスはネクタイ付きのシャツや、袖にサイドラインを利かせたスポーティーなロンTなど。
展示会に合わせて、全商品でウェブ先行予約を受け付けると共に、全国8店で順次店頭受注会も実施。受注結果をもとにリピート生産をかけるなど調整を行うことで、多品番ながら消化率を高めている。19年3月にブランドを立ち上げ、この間販売好調であることから、23年春には「メゾン スペシャル」より一世代上である35〜45歳をターゲットにするウィメンズブランド「プランク プロジェクト(PRANK PROJECT)」も立ち上げる。23年3月期の売り上げ見込みは35〜36億円。