「WWDJAPAN」は、11のトピックスから2023年を大胆予測する。トピックスは、デザイナーの就任・退任劇、国内トレンド、国内アパレル、海外ニュース、次世代富裕層、メタバース、スポーツ、サステナビリティ、Z世代、ビューティ業界のM&A、そしてヘアカラー。次世代富裕層以降のキーワードは、いずれも22年までに急速に広がり、ビジネスを語る上で欠かせないトピックスとなった(この記事は「WWDJAPAN」2023年1月2&9日合併号の抜粋です)。
村上要編集長(以下、村上):コロナが落ち着きつつあり、海外渡航も可能になったが、次世代富裕層の国内消費は引き続き活発だ。資産価値のあるハイジュエリーや高級時計、ラグジュアリー・ブランド市場は活況が続いている。今年は海外渡航が増えるだろうが、海外での消費が急速に伸びるとは思えない。円安は彼らの購買意欲を少なからず押し下げているし、ブランドは内外価格差を是正している。
益成恭子編集部記者(以下、益成):30代富裕層の平山美春さんも、「海外でも購入するかもしれないが、百貨店の外商からの購入が8〜9割になると思う」と話す。日本の外商のホスピタリティーの高さには定評があり、顧客との特別な関係性がある。
村上:従来とは異なる手法で資産形成する次世代富裕層はファッションへの関心が高く、ラグジュアリー消費に積極的だ。だけど彼らは上の世代と異なるからこそ、ラグジュアリーブランドや百貨店などとのネットワークを持っていない。このため富裕層の顧客から芋づる式に新顧客を紹介される外商が多い。三越伊勢丹は50〜60代の富裕層増加率は1ケタ程度のようだが、次世代の場合は5〜6倍らしい。外商は、1週間に10件以上の新客を紹介されることもあるようだ。
益成:外商は売り場からLINEで商品やタグなどを撮影して提案するなど、若い世代の顧客の利便性に合わせて対応している。平山さんも、知人の方々を外商に紹介しているようだ。
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