毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2023年3月6日号からの抜粋です)
大塚:2023-24年秋冬のメンズトレンドはテーラリングの流れが継続ですが、僕が気になっているのは「セリーヌ オム(CELINE HOMME)」などが提案していたスキニーパンツです。これまでのワイドシルエットが急にスキニーになることはないと思うのですが、バリバリなモード感が戻ってきそうな機運を感じて、期待しています。
井上:スキニーははける人も似合う人も少ないので難しいかもしれませんが、これまでのトレンドの反動としてくる可能性がありそうですよね。
大塚:エリさんはどんなトレンドが気になりましたか?
井上:ロゴを使わずに認知してもらうために各ブランドがそれぞれ良かった時代のものをアップデートしたり、原点回帰したりしたシーズンだったと思います。特に「サンローラン(SAINT LAURENT)」がすごくキレイで感動し、「フェンディ(FENDI)」も素材、カット、シルエット、どれもすばらしく、シンプルな強さ、洋服の美しさを改めて感じました。「グッチ(GICCI)」も(アレッサンドロ・)ミケーレが去ってすごく変わりましたが、こちらもモノ作りのうまさが際立つコレクションで、ロゴがなくても通用する、メゾンの本質的な力を感じました。
大塚:確かに。「グッチ」も「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」もトレンド感も押さえていて、非常に優秀なデザインチームを抱えているのだと実感しました。そこにクリエイティブ・ディレクターが加わって、時代性を高めるのでしょう。「サンローラン」のコレクションは、ショーを見る限り日常で着られる感じではなかったですが、周りにいる20代がそろって「今シーズン、一番カッコよかった」と言っていて、憧れる先が変わってきていると感じています。それもあって、あえてのスキニー推しです。バイヤーたちへの期待度アンケートの結果が楽しみです。
井上:私が気になったのは、くしゅくしゅしたソックスです。「グッチ」や「エトロ」が提案していましたが、ホームウエア的なくつろげる感じを手軽に取り入れられそうです。
大塚:僕もソックスは売れると思います。3月6日号に「WWDJAPAN」的メンズのトレンド分析とそれに対するバイヤーのリアクションを収録しているので、楽しんでほしいです!