ファッション

「セルフォード」が「ユミカツラ」と協業 オケージョン復活の今こそ“本物”を届ける

 マッシュスタイルラボの「セルフォード(CELFORD)」は、ブライダルファッションデザイナーの桂由美が手がける「ユミカツラ(YUMI KATSURA)」とのコラボ商品(ドレス4型、小物3型)を4月21日に発売する。「ユミカツラ」のウエディングドレスにオマージュを捧げながらも、パーティーシーンと日常の両方で着られるドレスに落とし込んだ。

 桂デザイナーは1965年に日本初のブライダルファッションデザイナーとしてキャリアをスタートし、世界各国でコレクションを発表してきた。コラボ商品の企画は、まず「セルフォード」のデザインチームが「ユミカツラ」の膨大なアーカイブをインプットすることから始まった。桂デザイナーは全体を監修するだけでなく、何度か「セルフォード」のチームの輪に加わって話し合い、自ら手を動かしながら企画を完成させた。

 コラボ商品は「セルフォード」のドレスの中心価格帯と比較すると1.5〜2倍程度だが、その分繊細な表現に力を入れた。4月15日に実施した商品紹介のインスタライブには桂デザイナー自ら出演し、コラボ商品の魅力を語った。桂デザイナーの「一番のお気に入り」といい、顧客向け先行受注会でも最も人気だったのがリボンレースのドレス(4万1800円)だ。両ブランドのシグニチャーであるレース柄を組み合わせた奥行きのあるデザイン。膝上から裾にかけて広がる“ユミライン”や背面のくるみボタンは、「ユミカツラ」へのリスペクトを込めたもの。素材はリサイクルポリエステル100%。胸元のバラのモチーフが目を引く“ローズドレス”(3万9600円)は、ペットボトルや繊維クズが原料のエコペットを使ったダブルサテン素材で作った。上品な光沢とドレープがあるテキスタイルを美しいシルエットで仕上げ、肩のスリットで抜け感を出した。2023-24年秋冬にはコラボ商品の第2弾を発売する。

 近藤広幸マッシュホールディングス社長は「(桂)先生のモノ作りに取り組む姿勢、情熱からの学びは大きかった」と語る。「先生はドレスのボタン1つについても、それをつけるか、外すかをずっと悩んでらっしゃった。先生が『360度どこから見ても美しい』と言われる一着を作ることができる理由が分かった」。

オケージョンへの原点回帰
協業を通じて“本物”を表現

 「セルフォード」はコロナ禍でオケージョンシーン(食事会やパーティなど)が激減する中、ニットワンピースや上下セパレートのアイテムなど、日常使いできる商品企画を強化してきた。「ただ、女性が輝けるイベントを応援したいという思いで生まれたブランドにとっては、大きなものを失った時間だった」と近藤社長。「(コロナ禍が明けた)新たな時代の幕開けに、『セルフォード』は本来のコンセプトに立ち返り、ブランドらしいドレスを表現する。このタイミングだからこそ、桂さんの力を借りて“本物”を届けたいと考えた」と語る。桂デザイナーも「(コロナ禍は)私の人生の中でもとても長い時間だった。こういう時こそ、人々には幸福や喜びを与える服を作らなくてはならない」と述べ、「(『セルフォード』のチームが)私がこの60年のキャリアの中で最も大切にしてきた『エレガンス』を理解して一緒にモノ作りをしてくれたからこそ、とてもいいドレスができた」と笑顔を見せた。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。