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「オメガ」が支援する「空飛ぶ眼科病院」が関空に上陸 手術室備えた機内を公開

 スイスの時計ブランド「オメガ(OMEGA)」は、2011年から支援している非営利団体オービスインターナショナルの「空飛ぶ眼科病院」が初めて日本に立ち寄ったのに伴い、駐機地となった関西国際空港で機内見学ツアーを行った。

 1982年に設立されたオービスインターナショナルは、発展途上国に出向き、回避が可能な失明を治療することに取り組む国際NPO。治療だけにとどまらず、眼科医療の専門家たちに最先端のトレーニングを提供する教育機関としての役割も担う。「現地に出向いてトレーニングしたり、遠隔医療プラットフォームのサイバーサイトを駆使したり、眼科領域の専門家がコミュニティを支えられるように教育を行うのが狙い」と、オービスインターナショナルのデレク・ホドキー(Derek Hodkey)社長は話す。これまで95カ国以上で眼科プログラムを実施し、無料治療を受けた患者は680万人を超える。

 「フライング・アイ・ホスピタル」と呼ばれる世界唯一の空飛ぶ眼科病院は、無償で提供された航空機(MD-10)内に、認定眼科病院と最先端の研修設備を備えている。高度な眼科医療を提供する手術室のほか、手術室の外科医とリアルタイムでやりとりできる学習スペース「クラスルーム」や、レーザー治療とシミュレーショントレーニングを行うルーム、手術前後のケアルーム、サイバーサイトを通じて機内での活動を世界各地に配信するAV/ITルームなどで構成。ボランティアの医療専門家と臨床スタッフが搭乗し、各地の眼科医療チームに知識と専門技術を伝えている。今回、日本に初めて寄港した理由について、デレク社長は「日本にもボランティアとして関わっている眼科領域の医療従事者はいるが、いまは少人数にとどまっている。オービスの活動を日本でも知ってもらい、もっと多くの方に関わってほしいと思ったから」と話す。

 「オメガ」とのパートナーシップは12年目を迎えた。これまでにダニエル・クレイグ(Daniel Craig)やシンディ・クロフォード(Cindy Crawford)、ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)らのブランドアンバサダーによって認知度を高めてきたほか、空飛ぶ眼科病院の支援や、子どもの患者が安心して治療を受けられるようにテディベアをプレゼントしたりしている。2021年にはモンゴルの眼科看護師を対象に行ったバーチャル・フライング・アイ・ホスピタルプロジェクトの独占スポンサーを務め、翌年はドーハの女性向けのプログラムのタイトルスポンサーを務めた。22年11月には、パートナーシップの更新と、250万ドル(約3億4000万円)の投資を発表している。オメガ社のレイナルド・アッシェリマン(Raynald Aeschlimann)社長兼CEOは「空飛ぶ眼科病院には、訓練を受けたプロフェッショナルたちが搭乗し、暗闇の中で暮らす人々に視力という贈り物を届けている。オービスのかけがえのない活動を支援するという重要な役割を担えることに心から喜びを感じる」とコメントを寄せている。

 “空飛ぶ眼科病院”は、経由地の日本を飛び立ったあと、ベトナムに向かい、対面での手術トレーニングを行う予定。今年9月には、アフリカのザンビアでもプログラムが予定されており、「オメガ」はその支援も行っている。

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