人種や性別、年齢、宗教や価値観、嗜好など人の内面・外観の違いを互いに認め、尊重し合うことを意味する。企業活動においては、「違い」を互いに受容することが組織の一体感を高め、新しい価値創造、事業の成長につながるという考え方が広がっている。(この特集は「WWDBEAUTY」2023年5月29日号からの抜粋です)
ユニリーバ(UNILEVER)
“自分らしさ”がビジネス成長を後押し
世界190カ国でビジネスを展開するユニリーバ(UNILEVER)は「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」をパーパスに掲げ、その実現に向けて世界共通の成長戦略として21年に「ユニリーバ・コンパス」を導入した。その中に「エクイティ、ダイバーシティ&インクルージョン(ED&I)」が組み込まれている。「毎日、世界で34億人が商品を使っている企業として、消費者の多様なニーズに対応するためには社員も多様でなければならない。多様なバックグラウンドを持つ社員が自分らしく働き、能力を最大限に発揮できる体制を構築している」(新名司アシスタント コミュニケーション マネジャー)と説明する。
同社は、長年にわたり職場でのジェンダー平等を推進し、2020年に女性管理職比率がグローバル全体で50%を達成した。日本法人のユニリーバ・ジャパンにおいては現在、女性役員が50%、女性管理職が45%と増加している。小野菜生アシスタント 人事 マネジャーは「1番のインパクトは社員のロールモデルの幅が広がったこと。出産や子育てなどライフステージが変わっても、長く働き続けられる職場環境が整っている」と述べる。ジェンダーバランスの実現には、昨年7月に就任したユニリーバ・ジャパン・グループのジョイ・ホー社長の存在も大きいという。「女性だからという理由で社長に抜てきされたわけではない」と前置きした上で「彼女はオープンリーレズビアンで、自分ごと化したストーリーテリングが圧倒的に強い。彼女がトップにいることで、ユニリーバがED&Iを大切にする組織であるということが誰の目から見ても明らかになった」と話す。
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