化粧品業界で使用済容器の回収が進んでいる。しかしその量は決して多くない。複数の素材で構成されているし、油を使用しているバルク(中身)が多いためリサイクルも容易ではない。課題は多いものの技術革新により、各社が課題解決に向けて取り組んでいる。(この特集は「WWDBEAUTY」2023年5月29日号からの抜粋です)
マッシュビューティーラボ(MASH BEAUTY LAB)
1 / 2
気軽に参加できるアクションを推進
マッシュビューティーラボは、世界中でプラスチックごみが増え続けている現実など地球の環境問題を自分ごと化し、消費者が日常で気軽に参加できるサステナブルなアクションを推進する。それが2020年4月に開始した使用済み化粧品容器の回収プログラム“リサイクルキッチン”だ。現在は、コスメキッチン、ビープル、メイクアップキッチン、エコストア、セルヴォーク、スナイデル ビューティーの全国142店舗で回収する。回収量は初年度が約6t、2年目は約12t、3年目は約13.5tと順調に増えている。
回収した容器は細かく粉砕しペレット状にして蓄積。これまで回収したガラス容器を使用して絶滅危惧種動物のアート作品にしたり、店舗の陳列什器に活用したりした。顧客が持ち込んだ容器の一部がリサイクル、アップサイクル利用されていることを実際に確認できることを重要視。現在、店舗レジで使用するキャッシュトレーの制作を進めており、6月中に各店舗に設置する予定だ。
回収量を増やすため、店頭に空き容器を持参すると次回以降の買い物時に使えるマッシュグループの会員プログラムにポイントを付与する。また、レジ横の目に入りやすい場所にリサイクルキッチンのPOPを常設掲示。リサイクルキッチンのビジュアルは、パラアーティストの作品を採用する。今回はさくらゆきの作品で、リサイクルキッチンの活動に賛同する数多くのブランドロゴが並んでいる。そのほか、イベントの際には、案内したり、インスタグラムでの定期的な投稿を実施したり認知拡大に取り組む。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。