愛媛県西条市に5月27日、「いとまちホテルゼロ(ITOMACHI HOTEL 0)」がオープンした。
同ホテルは、半導体関連の機器製造を中心に再生エネルギーや地方創生・まちづくり事業も運営するアドバンテックが事業主となり、ソラノホテル(東京都立川市)や白井屋ホテル(群馬県前橋市)を手がけるグッドタイムが企画運営を担う。実質的に電力エネルギーを消費しない「ゼロエネルギーホテル」として、国内ホテル初となる環境省のゼブ(ZEB、ネット・ゼロ・エネルギー・ゼロ、Net Zero Energy Building)認証を取得した。
館内ではエネルギー循環を学べる体験ツアーの提供や、ゼロエネルギーの仕組みを説明するインフォグラフィックスの掲示を行う予定。また内装には、木質由来の再生可能な非可食バイオマスを使用したタルケット(Tarkett)社の再生塩ビシートや、ジーンズの端切れを活用したステラポップ(STELAPOP)社の天板、再生ガラスを活用したベンチなどを使用した。インテリアとランドスケープデザインはダグアウト・アーキテクツ(Dugout Architects)、設計は隈研吾建築都市設計事務所がそれぞれ手がけた。
ホテル内のカフェでは、地元愛媛で仕入れた旬の野菜や果物を多く使用した食事を提供する。監修するのは、代々木上原のビストロ「メゾン サンカントサンク(MAISON CINQUANTECINQ)」などを運営するシェルシュ代表兼エグゼクティブシェフの丸山智博氏。厚生労働省が定める日本人の栄養摂取基準から、抗酸化作用等のある栄養素が+10%、カロリーは−10%になるよう基準を設けた。
アメニティや館内演出も、愛媛の特産物や伝統工芸品、クリエイターらを多く起用することで、地元の魅力を再発見する体験の創出を目指す。