ファッション
連載 本明秀文のノットスニーカーライフ

アトモス創業者・本明秀文の“ノット”スニーカーライフ「変わり続けるスニーカー市場」

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アトモスの創業者・本明秀文さんの独自の目線と経験から、商売のヒントを探る連載。アメリカで今一番にぎわっているスニーカーショップは、「ナイキ(NIKE)」でも「スタジアムグッズ(STUDIUM GOODS)」でもない、NY・ローワーイーストサイドにあるリセールショップ「ディストリクトワン(DISTRICT ONE以下、D-1 )」だ。“スニーカーはダウントレンド”という言葉を、このところ耳にタコができるほど聞いてきた。ではなぜ、D-1だけ調子がいいのか。今回は、世界のスニーカー事情を俯瞰しながら、その理由について考察する。

――NYのスニーカーリセールショップ「D-1」の共同創業者、ダニエル・アランゴ(Daniel Arango、通称D)と会いました。スニーカー市場は今もっぱらダウントレンドといわれていますが、「D-1」は2年前のオープン以来、今が最高益だと。売れ筋はやはり中古スニーカーのようです。Dいわく、売る人も買う人もいわゆる転売ヤーではなく、普通の人。つまり、客は転売で「儲けたい」という気持ちではなく、純粋にスニーカーが好きな人。2万円で買ったスニーカーを履いて、飽きたら1万円で売り、また別のスニーカーを買う。売られたスニーカーは1万5000円で別の人のもとに。そういうトレードみたいなスニーカーの買い方が今の主流のようですね。

本明秀文・アトモス創業者(以下、本明):それは分かる。「D-1」はいつも行列ができているしにぎわっているよね。親子連れも多い。だけど、今度は1次流通のメーカーのものが売れなくなるよ。

――そうですね。実際にDも、新品が売れていないので新品を扱うリセールショップ(プラットフォーム)はどこも大打撃を受けていると言っていました。売り手も少しでも高く売りたいので、売れない値段で出し続け、結果的に流通が鈍る。一方、「D-1」は、ナイキ製品の大幅値上げも「全く関係ない」と。適正価格で買い取って、適正価格で売る時代なんです。

本明:僕は中古スニーカー市場で、「ナイキ」以外がどうなるかに興味がある。「D-1」には「ナイキ」の中古はあるけど、「オン(ON)」や「ホカ(HOKA)」の中古はないでしょ。だから、この市場が将来どうなっていくのか。なぜ「オン」や「ホカ」は売っていないと思う?

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