資生堂はこのほど、バイオベンチャーのちとせグループと戦略協業契約を締結すると発表した。資生堂は10億円を出資し、同グループを統括するCHITOSE BIO EVOLUTION PTE. LTD.の株式を取得する。
ちとせグループは、世界のバイオエコノミーをリードするバイオ企業群。藻類商品を社会に普及することを目的に、国外問わず数多くの企業と協力しながら、多角的な用途研究開発を進める。藻類生産の大規模化を中心としたプロジェクトMATSURI(まつり)を主導し、2022年から資生堂も参加。設備は、18年に0.1ha規模から始め、現在、5haの設備を竣工、30年には2000haまで拡大する予定だ。
両社は、今回の戦略協業契約で藻の持つポテンシャルを最大化し、化粧品とその容器の原料開発および量産化、さらに将来的な食品産業に活用できる原料の研究開発を行う。藻類は、農業利用が難しい土地でも生産可能で、バイオマス生産の効率が高いことから、新たな資源となる可能性を秘めているという。藻類を利用した資源循環型のビジネスモデルを築くことで、グローバル化粧品市場を刷新する価値創造を目指す。
資生堂は、「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」の企業使命のもと、30年に向けて「サステナブルな社会の実現」を目指している。環境領域では、環境負荷を軽減する使い捨てではない循環型経済を実現する技術や、ビジネスモデルの構築に取り組む。