「ア ベイシング エイプ®︎(A BATHING APE®︎以下、ベイプ®︎)」はこのほど、ニューヨーク(NY)で、ブランド設立30周年を記念した「ベイプヘッズショー(BAPE HEADS SHOW以下、ヘッズショー)」を開催した。同イベントは1997年から続く、ファッション、音楽、カルチャーを融合させたイベントだ。毎回、今の音楽シーンを代表するアーティストが「ベイプ」の最新ルックをまとい、ライブパフォーマンスを演じることでも話題となる。
今回は音楽ライブだけでなく、「30周年の節目として、これまでとこれからの『ベイプ』を、より深く理解してもらうための新しい試み」と、ブランド初のランウエイショーを実施した。東京に拠点を構える「ベイプ®︎」が、「ヘッズショー」をNYで開催するのは5年ぶりの2回目。担当者は、「アメリカの多くの音楽アーティストが『ベイプ』を支持してくれている。NYはブランドにとって、最も重要な場所。音楽面との親和性を考慮しても『ヘッズショー』にふさわしいロケーションだ」と言う。会場となったマンハッタンのライブハウス「ターミナル5」を、黒と緑の見慣れた猿の迷彩柄で、全面ラッピングした。
ステージを囲むように設けられた客席には、NBA選手のジェイレン・ブラウン(Jaylen Brown)やNFL選手のジェイレン・ミルズ(Jalen Mills)、俳優のミア・ハリファ(Mia Khalifa)、ラッパーのトリニダード・ジェームズ(Trinidad James)、リル・テッカ(Lil Tecca)をはじめとする、米エンタメ界のインフルエンサーらが揃う豪華な顔ぶれ。加えて、会場の2階席まで、ヒップホップを愛する国らしく“ブリンブリン”に「ベイプ®︎」を着込んだファンの若者たちが押し寄せた。
スケートボードを滑走しながら始まったランウエイショーは、「ベイプ®︎」をメインに、ヤングラインの「エーエイプ(AAPE)」、ハイグレードラインの「ベイプブラック(BAPE BLACK®)」、ウィメンズの「ベイピー(BAPY®)」と「エイピー(APEE)」を加えた5ブランドが、合計100体以上の2023年秋冬シーズンのルックを披露した。モデルは人種や年齢も幅広いキャスティングで、NYの多様性を感じさせる。米ヒップホップ界の最注目株であるリル・ベイビー(Lil Baby)やNBA選手のジェイレン・グリーン(Jalen Green)らもその一人だ。モデルがウオーキングする背景には、30年の歴史を振り返る 映像(VJ)が投影され、その VJにアーカイブのグラフィックやテキスタイルなどを織り交ぜながら、ブランドの過去、現在、未来を、音楽ライブさながらに演出した。ショー終盤には、ブランドのアイコンである“シャーク星人”風の着ぐるみルックも登場し、クールだけじゃない、ユニークな「ベイプ」らしい一面も表現した。
モデル全員でステージを埋め尽くした圧巻のフィナーレで幕を閉じると、会場が暗転し、恒例のヒップホップライブがスタート。地元ブルックリン出身のラッパー、ローラ・ブルック(Lola Brooke)がオープニングアクトを務め、実力派ラッパーのコイ・リレイ(Coi Leray)がそれに続いた。最後は、ランウエイも歩いたリル・ベイビーがステージに再登場し、自身が手掛けたW杯のキャンペーンソングなどの人気曲を披露。観客のボルテージも最高潮に達し、イベントは終始熱気に包まれた。
イベントの模様は、総フォロワー数850万ほどいるSNS(公式バッジ付きアカウントのみで合算)で、全世界に向けて配信した。いわゆるコレクションブランドではない「ベイプ」が、バリエーション豊かなスタイリングと演出で、見事にモードに昇華させた。ドロップやコラボレーションだけに注目が集まりがちなストリートファッションの中で、ブランドの歴史やモノ作りの良さをこれまでとは違う方法で、エンドユーザーに向けて発信したのだ。
なお「ベイプ」は、8月28日〜9月2日に開催される2024年春夏シーズン「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」の特別企画「バイアール(by R)」に参加し、8月31日に国立代々木競技場 第二体育館で、ランウエイショーを行う。イベント限定アイテムなども仕込み、30周年を祝う。