三越銀座店は、美と健康に関心が高く自分の美をアップデートできるアイテムを取り入れる人が多く来店する。中国本土や台湾、香港からのインバウンド客も復調傾向にあり、4〜6月度の売上高は前年同期比60%増と大幅に伸長。日本人客の売り上げも好調で、客数、客単価も伸びている。店頭の混雑を緩和するための対策も実施し、さらなる来店客増にも万全の体制でのぞむ。(この記事は「WWDJAPAN」2023年7月24日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
売上高は、1〜3月度と比べても10%増だった。好調な要因は「インバウンドの売り上げが拡大。全体の3割程度を占め、1〜3月比でも約10%伸びている。インバウンドのお客さまは4月以降急増し、一部カウンターには列をなすほど」だったと松原麻美・三越伊勢丹 三越銀座店化粧品バイヤーは語る。昨年度から店頭の混雑緩和を解消するため、「コスメデコルテ(DECORTE)」「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」「アディクション(ADDICTION)」など6ブランドに行列や順番待ちを効率化できるiPadの受付管理アプリ「エアウェイト」を導入した。「お客さまには順番が来ると通知が届くため、待ち時間を有効活用できるメリットがある。販売スタッフはこれまで整理券を配布していたが、配布する人員が不要になり、その分接客にあたれる」という。
カテゴリー別の売上高はスキンケアが前年同期比80%増、ベースメイクが同60%増、カラーメイクが同50%増だった。「スキンケアはインバウンドのお客さまのニーズが高かった美容液とクリーム、乳液が貢献。カラーメイクはマスクオフになり、手持ちのリップなどが今の気分やトレンドに合わないため、買い替える人が多かった」。そのため、リップは同70%増と前年を上回り、艶感や発色の良さなど本来のリップを楽しむ傾向が復活、ヘルシーでヌケ感を演出できるオレンジやベージュ、ブラウンなどのカラーが人気を集めた。ベースメイクではマスクオフにより化粧直しをする人が増え、フィニッシングパウダーの動きが良かった。また、ブランドの枠を超えてカウンセリングを行う“ギンザ ボーテ コンシェルジュ”には、日焼け止めの問い合わせが多く、日焼け止めの売上高は同100%増となった。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。