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「ルイ・ヴィトン」親会社、23年上半期の売上高は6兆円超え 下期は日本で値上げか

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2023年1~6月期決算は、売上高が前年同期比15.0%増の422億4000万ユーロ(約6兆5472億円)、営業利益は同14.2%増の115億6400万ユーロ(約1兆7924億円)、純利益は同29.8%増の84億8100万ユーロ(約1兆3145億円)だった。

部門別の売上高では、主要事業のファッション・レザーグッズ部門が同16.7%増の211億6200万ユーロ(約3兆2801億円)だった。スターブランドの「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」と「ディオール(DIOR)」に加えて、「セリーヌ(CELINE)」「ロエベ(LOEWE)」「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」も好調で、業績に貢献した。「ブルガリ(BVLGARI)」「ティファニー(TIFFANY & CO.)」「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」などの人気ブランドを抱えるウオッチ&ジュエリー部門は同10.6%増の54億2700万ユーロ(約8411億円)、香水&コスメティクス部門は同11.3%増の40億2800万ユーロ(約6243億円)だった。

免税店のDFSや化粧品のセレクトショップ、セフォラ(SEPHORA)などを運営するセレクティブ・リテール部門は、海外旅行客が急激に回復したことにより、同26.0%増の83億5500万ユーロ(約1兆2950億円)と業績を伸ばした。一方、ワイン&スピリッツ部門は、米国市場の減速により「ヘネシー」のコニャックなど高級酒の需要が落ち込んだことから、同4.4%減の31億8100万ユーロ(約4930億円)となった。

地域別で見ると、フランスの売上高が同22.9%増の31億8000万ユーロ(約4929億円)、フランスを除く欧州は同19.0%増の65億2100万ユーロ(約1兆107億円)、日本は同21.4%増の29億5600万ユーロ(約4581億円)、日本を除くアジア太平洋地域は同19.1%増の141億4700万ユーロ(約2兆1927億円)といずれも2ケタ成長だったが、米国は同3.9%増の103億1800万ユーロ(約1兆5992億円)だった。

ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者は、「経済的・地政学的な不透明感が続く中、23年上半期も素晴らしい業績となりうれしく思っている。ファレル・ウィリアムス新メンズ・クリエイティブ・ディレクターによる『ルイ・ヴィトン』のデビューショーや、『ティファニー』ニューヨーク5番街本店の”ランドマーク”としてのリニューアルオープンなど、当社のメゾンはいずれも高いクリエイティビティーを発揮し、インスピレーションを与える夢を描き続けている。下半期も、楽観的に自信を持ちつつ、現在の経済環境を踏まえた慎重な姿勢で事業を進め、ラグジュアリーセクターにおける当社のグローバルなリーダーシップをさらに強化していく」と語った。

ファレルによる「ルイ・ヴィトン」メンズのデビューショーは、パリ最古の橋ポンヌフを数日間貸し切り、豪華なセットを組んで開催。多数のセレブリティーを含むゲスト1500人以上を招待したこのイベントは一般的な関心も高く、ライブ配信や動画の視聴回数は過去最高の10億以上となった。ファッションテック企業ローンチメトリックス(LAUNCHMETRICS)によれば、4260万ドル(約60億円)のメディアインパクトを生み出したという。

一方で、こうした大規模なイベントには多額の費用がかかるため、23年上半期におけるファッション・レザーグッズ部門の営業利益率は、前年同期の41.4%から40.5%に微減。ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)最高財務責任者によれば、下半期には大規模なイベントが少ないことや日本での値上げを予定していることなどにより、営業利益率は回復する見込みだという。同氏は「通貨の動きにもよるが、通期では昨年と同レベルを維持できる見通しだ」と説明した。

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