ユナイテッドアローズの2023年4~6月期連結業績は、売上高が前年同期比8.4%増の321億円、営業利益が同35.0%増の25億円、純利益が同35.9%増の17億円だった。「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS」などのトレンドマーケットで、都心エリアでの売り上げが回復し、事業別の売上高は同13.2%増の164億円と好調に推移した。グループ子会社はいずれも苦戦したものの、単体業績の改善が寄与し計画値を上回った。
7日にオンラインで開かれた会見で松崎善則社長は、かねてより注力するセールの抑制や商品力の強化、精緻な価格設定の見直しなどの取り組みを踏まえ、「月によっては、コロナ前を越える実績もでている。厳しい為替状況下で、お客さまに価値を伝えられる商品が提供でき始めている」と手応えを語った。同社の売上総利益率は、55.0%に改善している。一方で、「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(UNITED ARROWS GREEN LABEL RELAXING)」のミッド・トレンドマーケットは回復が遅れた。「ビジネスニーズは回復しているものの、そこだけでは補填しきれていない。一定の手応えはあるものの、まだまだ伸び代があると認識している」という。
同社は、7月31日に「ディストリクト ユナイテッドアローズ(DISTRICT UNITED ARROWS)」と「ロク(ROKU)」のキャットストリート沿いの店舗営業を終了した。「ディストリクト ユナイテッドアローズ」はユナイテッドアローズ 原宿本店内に移転。「ロク」は青山の「エイチビューティ&ユース(H BEAUTY&YOUTH)」で当面ポップアップを行い、その後移転オープンを予定している。これについては、「中長期計画に掲げる新しい価値創造を行い、既存成長を目指す戦略の一環だ。既存店舗の魅力を高める相乗効果を狙う」という。課題の若年層獲得に向けて鍵となる「シテン(CITEN)」は立川立飛店を皮切りに、計5店舗を出店。24年3月期末の店舗数は、300店舗となる見込み。