森ビルは8日、東京港区で建設中の大型複合施設「麻布台ヒルズ」を11月24日に開業すると発表した。約8.1ヘクタールの広大な敷地に、オフィス、住宅、商業施設、文化施設、教育機関、医療機関などの都市機能が入る。商業施設には「エルメス」「ディオール」「セリーヌ」「ブルガリ」「カルティエ」「ベルルッティ」「ボッテガ・ヴェネタ」といったラグジュアリーブランドが入る。同じ森ビルが運営する六本木ヒルズからも程近いエリアに、高級品や高級レストランの商業集積ができることになる。
商業施設の面積は約2万3000平方メートルで、約150店舗が営業する。ファッション、フード、ビューティ、カルチャーなど幅広い顔ぶれ。ラグジュアリーブランドは東京メトロ・神谷町駅側でヘザウィック・スタジオが設計した低層棟「ガーデンプラザ」に集積され、新たに開通した桜麻通り(さくらあさどおり)に街並みを形成する。ラグジュアリーブランドの多くは12月以降の開業となる。
高さ日本一となる330mの森JPタワーの足元の「タワープラザ」には、セレクトショップやファッションブランドなどが集まる。「ユナイテッドアローズ ウィメンズストア」(ユナイテッドアローズ)、「キャバン」(トゥモローランド)、「メゾン エ ヴォヤージュ」(同)、「ル グランド クローゼット ドゥ パリゴ」(パリゴ)、「ジェンテ ディ マーレ」(豊田貿易)、「ザ・ストア バイシー」(アバハウス)、「セオリー」(ファースリテイリング)、「アグ」(デッカーズジャパン)、「デンハム」(デンハムジャパン)、「ルルレモン」(ルルレモンアスレティカJP)、「ザ・コンランショップ東京」(コンランショップ・ジャパン)など。
麻布台ヒルズは、森ビルおよび日本郵便が参加組合員として参画し、虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合が開発した。コンセプトは“緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街〜Modern Urban Village”。約8.1ヘクタールの広大な計画区域のうち緑化面積は約2.4ヘクタール。森JPタワーには最新鋭のオフィスフロアや、ラグジュアリーリゾートを手掛けるアマンによる「アマンレジデンス 東京」が入る。他にも高度な専門性を持つ大学病院スタッフが提供する人間ドック「慶應義塾大学予防医療センター(仮称)」、50カ国以上・約700人の生徒が在籍するインターナショナルスクール「ブリティッシュ・スクール・イン東京」などで構成する。年間の来街者数3000万人を見込む。
8日に麻布台ヒルズの森JPタワー内で会見した森ビルの辻慎吾社長は「六本木ヒルズは『文化』、麻布台ヒルズは『グリーン&ウエルネス』。複合的な機能がコンパクトに複合された魅力的な街が、東京が国際的な都市間競争に勝ち抜くための磁力になる」と話した。商業施設の売上高の目標は非公表としながらも、「目安として面積で1.3倍の六本木ヒルズと比較して、商業の坪効率(1坪当たりの売上高)は同じか、超えるレベルを目指している」と説明した。