8月7&14日号の「WWDJAPAN」サステナビリティ特集は、トレーサビリティーに焦点を当てた。グローバルでビジネスを展開する企業は、サプライチェーンを透明化するための体制を強化している。各社サプライヤーリストの公開は、縫製工場だけなく、さらに上流の開示を進める。スタートアップ企業と組むなどして、ハードルが高い原料生産地の特定も含め全工程を追跡していく方針だ。共通して見えてくる課題は、コットンやウールといった天然素材のトレースの難しさ。そして工場監査には最後には“人の目”が必要な手間の多さだ。ここでは、H&M ヘネス・アンド・マウリッツの戦略を紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2023年8月7&14日号からの抜粋です)
「H&M」は、透明性こそが消費者からの信頼を勝ち取る方法だと考える。ラナプラザ崩落事故を機に業界全体で情報開示への動きが加速した2013年、同社は他社に先駆けてサプライヤーリストの公開に踏み切った。現在までにグループの商品総量の99%を占める一次サプライヤー(裁断・縫製・加工)の情報と、73%を占める二次サプライヤー(生地・糸・なめし・染色など)の情報を公開している。
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